インフルエンザの流行に注意!~大人にも増加する細菌性肺炎~

こんにちは、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です。
今年のインフルエンザは例年とは異なり、大人の入院が増加していることが報告されています。

その背景や対策について、患者さんにわかりやすくお伝えしたいと思います。

大人にも増えているインフルエンザによる入院

通常、インフルエンザで入院するのは子どもが中心ですが、今シーズンは大人の患者さんの入院が目立っています。特に、以下のような方が重症化しやすい傾向があります。

Danger

血液中の酸素濃度が低下している方

食事が取れない状態になっている方

高齢者

糖尿病や慢性呼吸器疾患など、基礎疾患をお持ちの方

また、インフルエンザに続いて肺炎球菌や黄色ブドウ球菌などの病原体に二次感染し、細菌性肺炎を発症するケースが増えています。

重症化の背景にある「H1N1」型ウイルス

今流行しているウイルスは、2009年に新型インフルエンザとして話題となった**「H1N1」型**です。


このウイルスに感染すると、気道の粘膜がダメージを受け、肺炎球菌や黄色ブドウ球菌などの別の病原体が侵入しやすい状態になってしまいます。

さらに、新型コロナウイルス流行の影響で、ここ数年はインフルエンザの流行が抑えられていました。

そのため、多くの方がインフルエンザに対する免疫を低下させています。

結果として、大人でも重症化するリスクが高まっていると考えられます。

インフルエンザ予防・対策のポイント

予防

  1. こまめな手洗い・手指消毒
    外出先から帰宅した時や食事前・トイレの後は、石けんを使った手洗いを徹底しましょう。アルコール消毒も有効です。
  2. マスクの着用
    人混みや公共交通機関を利用するとき、体調が優れないときはマスクの着用を心がけてください。飛沫感染予防に有効です。
  3. 室内環境を整える
    室内の換気適度な加湿を行いましょう。空気が乾燥すると気道の粘膜が弱り、ウイルスに感染しやすくなります。
  4. 十分な睡眠と栄養
    体力や免疫力を保つために、睡眠をしっかりとり、疲れをため込まないように心がけてください。バランスの取れた食事で栄養もしっかり補給しましょう。
  5. 口の中を清潔に保つ
    歯磨きやうがいで口内環境を整えることは、細菌による肺炎リスクを下げるために重要です。歯垢(プラーク)に潜む病原体が、インフルエンザウイルスと相互作用してしまう可能性もあります。

早めの受診と適切な治療を

インフルエンザにかかってしまった場合は、早期診断・早期治療が大切です。


発熱や咳、のどの痛みなど、「いつもと違う」「長引いている」と感じる症状があれば、早めに医療機関へ相談しましょう。

Warning

特に、呼吸が苦しい、食欲がない、ぐったりしているといった症状がある場合は、重症化のサインかもしれません。

当院では、インフルエンザの診断や治療はもちろん、基礎疾患をお持ちの方への健康管理に力を入れております。

どうぞお気軽にご相談ください。

まとめ

  • インフルエンザの流行により、大人の入院が増加傾向
  • H1N1型ウイルスへの免疫低下により、重症化や細菌性肺炎リスクが上昇
  • こまめな手洗い・手指消毒、マスク着用、換気・加湿などの基本対策が重要
  • 体調不良を感じたら、早めに受診・治療を受けることが大切

少しでも体調に不安がある方は、どうぞ無理をせずに早めにご相談ください。


皆さんが健康に冬を乗り切れるよう、当院も全力でサポートいたします。


やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック 山口裕礼

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。