腸内細菌が花粉症に与える大きな影響とは?砂糖や精製炭水化物との関係をわかりやすく解説します

こんにちは。やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です。

アレルギー専門医

花粉症やアレルギー体質でお悩みの方や、何となく体調が優れないと感じている方はいらっしゃいませんか?

実は、私たちの体内に棲む「腸内細菌」が免疫システムに深く関わっているということが、近年の研究でわかってきました。

今回は、

  1. 腸内細菌と免疫系の関係
  2. 砂糖や精製炭水化物が腸内細菌に与える影響

この2つのテーマを中心に、患者さん向けにわかりやすく解説します。

1. 腸内細菌と免疫系の関係

腸内細菌ってなに?

私たちの腸の中には、何百種類もの細菌が数百兆個も棲みついています。

これらの細菌の集まりを「腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)」と呼び、健康維持に大きな役割を果たしています。

腸内細菌は免疫の司令塔

“免疫の要”

腸は単に栄養を吸収するだけの器官と思われがちですが、実は体の免疫細胞の約7割が存在する“免疫の要”でもあります。

アレルギーにも関与

腸内細菌が作り出す物質(短鎖脂肪酸など)は、免疫細胞の働きを調整し、体内への病原菌やアレルゲンの侵入に対する反応を抑えたり、逆に高めたりするスイッチ役にもなっています。

花粉症やアレルギーとの関わり

Warning

花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患は、“免疫の過剰反応”ともいえます。

正常な腸内環境が保たれていると、「制御性T細胞(Treg細胞)」がしっかり働き、過剰な免疫反応を抑えてくれます。

ところが、腸内細菌のバランスが乱れると、このTreg細胞のはたらきが弱まり、アレルギー症状が出やすくなる可能性があるのです。

2. 砂糖や精製炭水化物が腸内細菌に与える影響

なぜ砂糖や精製炭水化物に注目するの?

普段の食事やおやつで口にする「砂糖たっぷりのお菓子」や「白いごはん・パン・麺」などの精製炭水化物は、甘くて食べやすい反面、摂りすぎると腸内環境を乱す要因になることが指摘されています。

腸内細菌のバランスが崩れるとどうなる?

悪玉菌が優勢になりやすい

砂糖を好む悪玉菌が増えやすくなり、ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌が減ってしまう恐れがあります。

多様性の低下

さまざまな種類の腸内細菌がバランスよく共存している状態が理想ですが、偏った食生活を続けると、一部の菌だけが増えたり減ったりして“多様性”が失われがちに。

腸内環境の乱れが免疫バランスに響く

腸内細菌のバランスが崩れ、悪玉菌が増えると、腸の粘膜バリアが弱まる可能性があります。

すると体内に入り込む有害物質やアレルゲンが増え、免疫システムがフル稼働。

「花粉症やアレルギーが起こりやすい体質」へと傾きやすい状況が作られます。

腸内環境を整えるためのポイント

バランスの良い食事を意識する

  • 野菜、果物、海藻、全粒穀物など食物繊維をたっぷり含む食材を積極的に。
  • ヨーグルトや納豆、味噌などの発酵食品をうまく取り入れる。

砂糖や精製炭水化物を摂りすぎない

  • お菓子や清涼飲料水などは一気に大量に摂らないように心がけましょう。
  • 白米の代わりに玄米や雑穀米、全粒粉のパンなども検討してみてください。

生活習慣の見直し

  • 睡眠不足やストレスは腸内細菌にとっても大きな負担。
  • 適度な運動やこまめな水分補給で腸の動きを促進するのもおすすめです。

まとめ

アレルギー専門医
腸内環境管理士

腸内細菌は、私たちの免疫バランスを司る“影の司令塔”といっても過言ではありません。

Warning

砂糖や精製炭水化物を過度に摂る生活習慣を続けていると、腸内細菌のバランスが乱れ、アレルギー症状の悪化やさまざまな体調不良につながる恐れがあります。

「花粉症の薬を飲んでいるのに症状がイマイチ良くならない」

「年々アレルギー体質が強くなっている気がする」

などのお悩みがある方は、ぜひ食事の内容や生活習慣を見直してみてください。

腸を元気にする取り組みは、免疫力アップだけでなく、肌荒れや便通改善などの嬉しい効果も期待できます。

やまぐちファミリーへ

当クリニックでは、呼吸器内科・皮膚科それぞれの視点から、花粉症やアレルギーに関するご相談を受け付けています。

「なかなか症状が改善しない…」と感じている方は、どうぞお気軽にご相談ください。

お読みいただきありがとうございました。

皆さんが腸内環境を整えて、健やかな毎日を過ごせるよう願っています。

気になる症状がある方は、ぜひ一度ご来院ください。

今後も、アレルギーや健康にまつわる情報を発信してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

腸年齢を知るには?

腸年齢を計算する方法については、『健康の土台をつくる 腸内細菌の科学』(内藤裕二 著)で紹介されています。

アレルギー専門医
腸内環境管理士

簡単にチェックできるコードを作ってみました!

チェックした項目に関して、私なりにアドバイスがあります。

腸年齢計算アプリ

以下のチェックリストに該当する項目をチェックしてください。

プラスになる項目

豆腐、厚揚げが好き
塩分は制限している
玄米、麦など全粒穀類を3食に1度は食べる
朝食後に便が出ることが多い
見た目が若いと言われる
発酵食品が好き
スープより味噌汁が好き
田舎、地方の出身である
3人以上のきょうだいがいる
週に3回以上運動している
深夜0時までには就寝している

マイナスになる項目

朝食をとらないことが週に4日以上ある
外食が週に4日以上ある
コーヒーには砂糖を入れる
アルコールは週に4回以上飲む
野菜不足だと思う
牛・豚・羊など肉類が好き
便秘である
いきまないと便が出ないことが多い
コロコロした便のことが多い
おなら・便がくさい、くさいと言われる
仕事でも、休日でも運動不足である
タバコを吸う
ストレスを感じている
寝不足である
肌荒れや吹き出物で悩んでいる
胃酸分泌抑制薬をのんでいる
抗生物質をよく服薬する
コンビニエンスストアをよく利用する
仕事、買い物には車で出かける

あなたの年齢

やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック 山口裕礼
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本アレルギー学会認定アレルギー専門医
日本喘息学会認定喘息専門医
日本内科学会認定内科医
日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー
日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士
日本温活協会認定温活士

日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。