🍭第4回「カンジダ菌は甘いものが大好き? 腸内の真菌と砂糖の関係」

こんにちは。やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です🌿

今回は、前回お話しした「腸肺軸」の延長線上で、腸内にいる“真菌”と甘いものの関係についてお伝えします。

🧁カンジダ菌ってどんな菌?

カンジダ菌(Candida)は、私たちの腸や口、皮膚、膣などにふつうに存在する常在菌のひとつです。
菌というと悪者のように聞こえますが、健康な状態ではバランスよく共存しています。

でもそのバランスが崩れると…
カンジダ菌が「増えすぎてしまう」=過剰増殖という問題が起こります⚠️

🍬甘いもの=カンジダ菌のエサ⁉

カンジダ菌は、糖分を好みます
特に、白砂糖・果糖ブドウ糖液糖などの「遊離糖(ゆうりとう)」はカンジダ菌の大好物。

つまり、

甘いものをたくさん食べると、腸の中でカンジダ菌がどんどん増えやすくなる

というわけです。

🌀そして起こる「悪循環」

この話には“ちょっと不思議なループ”があります。

  1. 甘いものを食べすぎる
  2. 腸内でカンジダ菌が増える
  3. カンジダ菌が“もっと甘いものが欲しい”ような物質を出す(脳に影響するという説も)
  4. 結果として、さらに甘いものが欲しくなる

このような正のフィードバックループに陥ると、腸内環境はどんどん崩れ、炎症も増えていきます🔥

🌬️そして免疫にも影響が…

過剰に増えたカンジダ菌は、

  • 腸の壁のバリア機能を壊す(いわゆるリーキーガット)
  • 炎症性の代謝物(PGE2など)を出す
  • 免疫細胞を刺激して、全身の“過敏な状態”をつくる

これにより、肺の免疫バランスも乱れやすくなるという研究が出ています。
つまり、喘息やアレルギーの悪化に関与する可能性があるのです。

📊科学的にはどうなの?

動物実験や一部のヒト研究では、

  • 高糖質食を与えたマウスの腸内でカンジダ菌が増加
  • 同時に喘息のようなアレルギー反応が強く出る
  • カンジダ菌を抑える薬や、糖質制限で改善が見られた
    …という報告があります🔬

🧠まとめ:腸の中の“見えない甘党”に注意!

状況起こること
甘いものをよく食べるカンジダ菌が増える
カンジダ菌が増える甘いものがもっと欲しくなる/炎症が起きる
炎症が続く肺の免疫も過敏に → アレルギーや喘息悪化のリスク

📝次回予告

第5回では…

📌 「腸のカビが肺のアレルギーを悪化させる!? 炎症の連鎖メカニズム」
をテーマに、腸から肺へどうやって信号が伝わるのか?を掘り下げていきます📡🫁

📣「甘いもの=太る」だけじゃないんですね。
体の中では、見えない微生物たちが密かに影響しあっているのです。

ちょっとだけ甘いものとの付き合い方を見直してみませんか?🍬✨

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
資格:
<医学・医療>医学博士、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医、日本喘息学会認定喘息専門医、日本内科学会認定内科医、日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
<予防医学・代替医療・環境>
環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士、漢方コーディネーター、内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー、日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士、腸内環境解析士、日本温活協会認定温活士、薬膳調整師、管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、日本フェムテックマイスター協会公認フェムテックマイスター®上級、公認妊活マイスター®Basic、日本スキンケア協会認定スキンケアアドバイザー、メンタル士心理カウンセラー
<文化・生活>
日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ、ローズソムリエ®(バラ資格)