🧪【第9回】「カンジダと喘息をつなぐ“検査と問診のヒント”」

〜日常診療で“真菌体質”を見抜くには?〜

こんにちは。やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です🌿
このシリーズでは、喘息と腸、そして“カビ(真菌)”との関係についてお話ししてきました。

では実際、

「カンジダ菌が影響しているかどうか」
をどうやって見抜けばよいのでしょうか?

自由診療や特殊な検査がなくても、日常診療の中で気づける“サイン”は意外と多いのです🧩

🔍【特殊検査がなくても見抜ける!】

日常診療で“真菌リスク”を読み解く3つの視点

① 🍬【甘いもの+アレルギー疾患の“セット”】

問診の中でこんな特徴がある人、いませんか?

  • お菓子・甘い飲料を毎日摂っている
  • 喘息、花粉症、鼻炎、アトピーなど複数のアレルギー疾患が併存している
  • 食後に眠くなりやすく、集中力が続かない
  • 抗生物質を繰り返し使用した既往がある

👉 こうした方は、腸内の真菌(特にカンジダ)の過剰増殖によって免疫バランスが乱れている可能性があります。

② 🧫【一般的な血液検査にも“ヒント”が】

特別なアレルギー検査がなくても、以下の項目が示唆的です:

項目ヒントになる変化
総IgE特異的IgEが陰性でも高値なら“真菌系アレルゲン”の可能性あり
好酸球(%または絶対数)5%以上が持続している場合、慢性アレルギー・真菌感作の疑い
CRP・LDH微増が慢性的に続いていると、体内に軽度の炎症負荷がある可能性

👉 真菌アレルギーは一般的な吸入アレルゲン検査(RAST)では検出されにくいため、こうした数値と症状の“ズレ”に注意が必要です。

③ 🤔【“カンジダ体質”を読み取る問診項目】

以下のような“複合的な違和感”がある場合、腸内カンジダの過剰増殖が関わっているかもしれません:

  • お腹が張る・ガスが多い・便通の波がある
  • 気圧や湿度で不調になりやすい
  • 手足の湿疹・かゆみ・水虫が出やすい
  • 喉のイガイガ・咳が続くのに風邪ではない
  • 長く原因不明の「倦怠感」や「脳のもやもや感」がある

これらの症状が複数組み合わさる方は、腸のカビが体全体の免疫反応を“じわじわと刺激”している可能性もあります。

📌臨床現場で大切にしたいのは「検査値+感覚の違和感」

カンジダや腸内真菌の過剰増殖は、決定的な検査がないことが多く、“疑い”から治療を組み立てる分野です。

でも、慢性炎症に悩む患者さんの背景に「食事の乱れ」「甘味依存」「複数のアレルギー」「皮膚トラブル」がそろっていれば…

👉 “見えないカビ”が鍵を握っているかもしれません。

✅まとめ:真菌体質のヒントは、問診と観察にある

チェック視点内容
食習慣毎日の甘味・炭水化物の摂取傾向
症状の組み合わせ呼吸器・皮膚・腸・メンタルの複合不調
血液検査の傾向特異的IgEは陰性でも、総IgEや好酸球が高い

📝次回予告(最終回・第10回)

📌 「食べ物と喘息、ここまでつながる⁉ 最後に伝えたい“あなたにできること”」
🧭 実践チェックリストと生活改善のヒントを総まとめします✨

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
資格:
<医学・医療>医学博士、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医、日本喘息学会認定喘息専門医、日本内科学会認定内科医、日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
<予防医学・代替医療・環境>
環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士、漢方コーディネーター、内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー、日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士、腸内環境解析士、日本温活協会認定温活士、薬膳調整師、管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、日本フェムテックマイスター協会公認フェムテックマイスター®上級、公認妊活マイスター®Basic、日本スキンケア協会認定スキンケアアドバイザー、メンタル士心理カウンセラー
<文化・生活>
日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ、ローズソムリエ®(バラ資格)