クリニックだより 皮膚科

「ラピフォートワイプ」原発性腋窩多汗症に選択肢が増えました!

皮膚科

ラピフォートワイプ

原発性腋窩多汗症とは、明らかな原因なく腋窩に多量の汗をかく症状が6カ月以上続くこと。

決して珍しい病気ではありません。

原発性腋窩多汗症にはいくつかの治療方法があります。

・塩化アルミニウム
・エクロックゲル
・ボトックス注射

上記に加えて5/23より「ラピフォートワイプ」も処方可能となりました。

ラピフォートワイプとは?

成分は、グリコピロニウムトシル酸塩水和物です。

どうして汗がとまるの?

交感神経から分泌されるアセチルコリンが、汗腺分泌細胞のムスカリン受容体に結合することで汗の産生が誘導されています。

この薬は、汗腺細胞のムスカリンM3受容体に結合しアセチルコリンの作用を阻害することによって汗の発汗を抑制します。

どのように使うの?

・1日1回1包に封入されている不織布1枚を両方の腋窩に塗ります。
・腋窩以外の場所には使ってはいけません。
・両腋窩に1回ずつ塗るだけで十分な量となります。2回以上同じ部位に塗らないようにしましょう。

使ってはいけない人はいるの?

・閉塞隅角緑内障
・前立腺肥大で排尿障害のある人
・ラピフォートワイプに含まれる成分で過敏症のあった人

使用中に気を付けることは?

・この薬はアセチルコリンの作用を阻害する作用(抗コリン作用)があるため、眼の調節障害が現れることがあります。
そのため、「まぶしい」「霧がかかったような見え方」になった場合は、車の運転など危険を伴う機械の操作は中止しましょう。

・特に目の症状が出る場合は、「薬剤がついた手で眼をこすること」が直接的な原因となっていることが多いと言われています。
そのため「薬剤を外用したらすぐに手を洗うことが大事です。」

・暑い場所では、本剤の発汗抑制作用により体温が上昇するおそれがあります。熱中症を疑うような(めまい、頭痛、吐き気)などが出た場合は涼しい場所へ移動し、水分塩分補給を行いましょう。

わきの汗でお困りの際は診察の際にお声がけください。

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。