歯科で使われる金属アレルギー：見落とされがちながら重要な健康問題

2023.6.30 内科

今回は私たちの身近にあるが見過ごされがちなトピック、金属アレルギーについて話をしましょう。

私たちはアレルギーと聞くと、花粉症や食物アレルギーを思い浮かべることが多いでしょう。

しかし、知らない間に私たちの体に影響を及ぼす別のタイプのアレルギーが存在します。

それが「金属アレルギー」です。

金属アレルギーとは何かというと、私たちの身体が特定の金属に対して過敏な反応を示し、それによって様々な症状を引き起こすことを指します。

特に、歯科治療で使用される金属に対する反応は注意が必要です。

金属クラウンやインプラント、ブリッジ、金属製の矯正器具など、歯科で使用される金属は私たちの日常生活で直接口の中に留まるため、金属アレルギーの影響を受けやすいのです。

金属アレルギーの症状は人によって異なりますが、口内での金属使用による反応としてよく報告される症状には、口の中の痛みや腫れ、金属味、口内炎、唇や舌の皮膚の変色などがあります。

さらには、全身の皮膚に発疹が出たり、頭痛や疲労、関節痛などの症状が出ることもあります。

これらの症状がある場合、歯科金属アレルギーが原因である可能性を疑うことが重要です。

治療方法については、まず、アレルギー反応を引き起こしている可能性がある金属の特定が必要となります。

歯科医師や専門医が行うパッチテストなどにより、何が反応を引き起こしているのかを特定できます。

一旦特定ができれば、その金属を使用している歯科材料を他の材料に交換することで症状が軽減または消失することがあります。

さいごに

金属アレルギーは、見落とされがちながらも、私たちの健康に大きな影響を及ぼす可能性があります。

特に、何かしらの原因不明のアレルギー症状に悩んでいる方、または歯科で金属を使用している方は、歯科金属アレルギーの可能性について一度考えてみてください。

健康な生活を送るためには、自分の体との対話が不可欠です。

あなたの体が何を伝えているのか、しっかりと理解しましょう。

そして、何か疑問や不安がある場合は、必ず専門家に相談してください。

あなたの健康が守られますように。

クリニックだより内科