来週中に治してください”と言われても…医療には守るべき限界があります

──焦らせる治療は危険、だからこそ時に“紹介”という選択をします
こんにちは。
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック
院長の 山口裕礼 です。
ひとつ前のブログで、
「来週までに咳を止めてほしい」という切実なお願いが
どれほど多いかを書きました。
結婚式、海外旅行、仕事の面接、スピーチ、学校行事…
人生の大事な場面に向けて、
“なんとか来週中に治したい”
そんなお気持ちはとてもよく分かります。
そして当院は、
これまでも 90%以上の方を改善方向へ導いてきました。
これは事実です。
しかし──ここからが今日お伝えしたい大事なポイントです。
❗どうしても無理を言い続ける患者さんは、他院へ“紹介”します
意外かもしれませんが、
これは“見放す”という意味ではありません。
むしろ 医療として正しい判断です。
🟥理由①:医療は「魔法」ではない
どれほど急いでいても、
どれほど強い願いがあっても、
原因を超えて症状だけを一晩で消す方法は存在しません。
焦れば焦るほど、治療の負担は増え、
薬の副作用リスクも高まります。
🟥理由②:医師の集中力と安全性を守る必要がある
焦りが強い患者さんほど、
医師に大きなストレスと圧をかけてしまいがちです。
呼吸器の診療は繊細で、
咳ひとつとっても原因が複数重なっていることがあります。
“今週中に絶対治せ”という圧が続くと、
診療の質や安全性が失われ、
結果的に患者さんの不利益になります。
🟥理由③:相性・期待値のズレは治療効果を下げる
患者さんの“期待”と、
医学的に可能な“現実”が大きくズレていると、
- 治療がうまくいかない
- 互いにストレスが増える
- 信頼関係が壊れる
このような状況になります。
そのため、どうしても無理を言い続けるケースでは
“合う医療機関へおつなぎする(紹介する)”
というのが、患者さんにとっても、医師にとっても最善です。
🌼焦らさないことが、実は「最短で治る」道なんです✨
ここがとても大事です。
🔸焦る
→ 不安が増す
→ 症状が強く感じられる
→ 期待値が上がる
→ 医療とのズレが大きくなる
🔸焦らない
→ 医師が最適な治療を選べる
→ 身体が反応しやすい
→ 副作用リスクが下がる
→ 結果として治りが早い
実際、
落ち着いて治療を受けた患者さんは、本当に良くなります。
🌱当院のスタンス
「応えられることには全力で応える」
「医学的に無理なものは無理と言う」
「治療に支障が出るほど焦る方には紹介する」
これは冷たい対応ではありません。
むしろ──
💡あなたを安全に、確実に改善へ導くための誠実な姿勢
です。
👩⚕️医師も“全力”で診ています
だからこそ、こうお願いしたいのです。
🌈 どうか焦らせないでください。
🌈 焦らないあなたほど、治りが早いです。
医療は「あなたと私のチーム」です。
お互いの信頼があるほど、治療はスムーズに進みます。
これからも、
あなたの大切な日が笑顔で迎えられるよう、
私は誠実に、丁寧に、最善を尽くします😊
投稿者プロフィール

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からだ整えラボ
① 医学=呼吸器・アレルギー
② 生活=腸・温活・食・睡眠・肌
③ 幸福=働き方・環境・園芸
“病気を診るだけでなく、人をまるごと診たい”
——その思いを胸に、学びを続けています。
医学的根拠 × 生活習慣 × 心の豊かさ
三位一体の医療をめざしています。
資格:
<医学・医療>医学博士、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医、日本喘息学会認定喘息専門医、日本内科学会認定内科医、日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
<予防医学・代替医療・環境>
カラダ取説®マスター・ジェネラル ← NEW✨
環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士、漢方コーディネーター、内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー、日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士、腸内環境解析士、日本温活協会認定温活士、薬膳調整師、管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、日本フェムテックマイスター協会公認フェムテックマイスター®上級、公認妊活マイスター®Basic、日本スキンケア協会認定スキンケアアドバイザー、メンタル士心理カウンセラー、アーユルヴェーダアドバイザー、快眠セラピスト、安眠インストラクター
<文化・生活>
日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ、ローズソムリエ®(バラ資格)
<受賞歴>
第74回日本アレルギー学会学術大会「働き方改革推進奨励賞」受賞
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