🏭第7回:交差汚染のリスクと表示制度の限界

~「〇〇を含む可能性があります」ってどういう意味?~

こんにちは🌈
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です🍀

グミのパッケージ、しっかり見ていますか?👀
「乳成分・大豆・ゼラチンを含む」「小麦・落花生を含む可能性があります」…
これ、一体どこまで信じていいのでしょうか?

今回は、“交差汚染”と食品表示の真実について、専門医の視点で解説します🧑‍⚕️

⚠️1. 「交差汚染」ってなに?

交差汚染(cross-contamination)とは、
製造工程の中で本来含まれないアレルゲンが混入してしまう現象のことです🚨

例:

  • 同じ工場でナッツ入りグミとナッツ不使用グミを作っている
  • ベルトコンベア、器具、手袋の共有により微量な成分が残ってしまう
  • 表示義務のある7品目以外のアレルゲンは“任意表示”になっている

📜2. 表示ルールの限界

日本の食品表示制度では、アレルギー表示は原則として義務と努力義務の2段階があります:

分類対象食品表示義務
特定原材料(7品目)卵、乳、小麦、えび、かに、そば、落花生義務あり
特定原材料に準ずるもの(21品目)アーモンド、大豆、くるみ、バナナなど推奨(努力義務)

つまり、「含む可能性があります」は製造者側の自主的な対応に左右されている部分もあるのです💡

🧪3. 実際に起きた“見えない混入”の例

ゼラチンアレルギーの患者さんが「植物性グミ」を食べてアナフィラキシー
→ 製造ラインにゼラチン使用製品の残留が原因

ナッツアレルギーの子が「ナッツ不使用グミ」で蕁麻疹
→ 実は同じ鍋で製造していた…

「表示されていない=安全」ではないことを痛感させられる例です😰

🧐4. 「〇〇を含む可能性があります」はどう読む?

この表記は、以下のような場合に使われます:

  • 意図しない混入が起こり得ると企業が判断したとき
  • 製造設備が共通、完全な洗浄が難しいとき
  • 表示義務はないが、誠意を持って記載しているとき

つまり、この文言は消費者への警告であり、
「注意してね」という意思表示なのです⚠️

✅5. アレルギー体質の人が取るべき対策

🌟表示を細かくチェックする習慣をつけましょう
🌟製造元に直接問い合わせるのも手段の一つ📞
🌟無添加・専用ライン製造の製品を選ぶ👩‍🔬
🌟反応が出た商品は記録しておく📒

💬まとめ

ポイント内容
交差汚染とは製造過程での“微量な混入”
表示の限界表示義務は一部に限られる
表示の見方「含む可能性」は注意喚起!
予防策表示確認+記録+体調管理がカギ🔑

👨‍👩‍👧「家族で考える表示の読み方」

特にお子さんがアレルギー体質の場合、
このお菓子に何が入っているのか、一緒に見てみよう」と
声をかけることで、アレルギー教育にもつながります🧒📘

📢次回予告

👉【第8回:アレルギーの種類とメカニズム】
IgE依存型アレルギーと仮性アレルギーの違いとは?
腸内環境とアレルギー発症の深い関係にも注目します🧬🌿

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
資格:
<医学・医療>医学博士、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医、日本喘息学会認定喘息専門医、日本内科学会認定内科医、日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
<予防医学・代替医療・環境>
環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士、漢方コーディネーター、内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー、日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士、腸内環境解析士、日本温活協会認定温活士、薬膳調整師、管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、日本フェムテックマイスター協会公認フェムテックマイスター®上級、公認妊活マイスター®Basic、日本スキンケア協会認定スキンケアアドバイザー、メンタル士心理カウンセラー、アーユルヴェーダアドバイザー
<文化・生活>
日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ、ローズソムリエ®(バラ資格)