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アトピー性皮膚炎を生活習慣病として考える

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アトピー性皮膚炎を生活習慣病として考える

こんにちは。やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です。

アトピー性皮膚炎で悩む方は多くいらっしゃいますが、その症状を軽減するためには日々の生活習慣が重要です。

今日は、アトピー性皮膚炎を「生活習慣病」として考え、どのように工夫すれば症状をコントロールできるかをご紹介します。

アトピー性皮膚炎を生活習慣病として考える理由

アトピー性皮膚炎は、遺伝的な要素だけでなく、環境や生活習慣が大きく影響する病気です。

特に、肌のバリア機能の低下や免疫の過剰反応が引き金となり、日々の生活の中でその症状を悪化させる要因が潜んでいます。

生活習慣を見直し、適切なケアを取り入れることで症状を改善し、再発を予防することが可能です。

アトピー性皮膚炎を和らげるための日々の工夫

1. スキンケアを見直す
アトピー性皮膚炎のケアの基本は、肌を守り、保湿することです。
適切な保湿
肌のバリア機能を補うためには、こまめな保湿が欠かせません。入浴後や朝の洗顔後など、1日2~3回の保湿を心がけましょう。
肌に優しい洗浄
ゴシゴシと洗うのではなく、低刺激性の洗浄剤を使い、優しく洗うことで肌への負担を減らします。

2. 食生活の改善
食べ物が肌に与える影響も無視できません。
抗炎症作用のある食品を摂る
青魚に含まれるオメガ3脂肪酸やビタミンEが豊富な食品は、肌の炎症を抑えるのに役立ちます。
控えたい食品
加工食品や砂糖が多い食品は、アトピー性皮膚炎の悪化につながる可能性があります。

3. 環境の整備
日々の生活環境を整えることで、症状の悪化を防ぎます。
アレルゲンの排除
ダニやほこり、ペットの毛などが刺激になる場合があります。掃除をこまめに行い、寝具を清潔に保ちましょう。
気温と湿度の管理
適度な湿度(50~60%)を保つことで、肌が乾燥しにくくなります。

4. 睡眠を大切にする
睡眠不足は免疫力を低下させ、アトピー性皮膚炎を悪化させることがあります。
質の良い睡眠を心がける
寝室の環境を整え、リラックスできる状態で眠りましょう。

5. ストレスを減らす
ストレスはアトピー性皮膚炎を悪化させる大きな要因の一つです。
リラクゼーションの習慣を作る
 自分なりの趣味を楽しむことで心を落ち着かせる時間を持ちましょう。

6. 適切な運動
運動は血行を促進し、免疫力を整える助けになります。
無理のない軽い運動を
ウォーキングやストレッチなど、体に負担をかけない運動を続けましょう。

治療と生活習慣の両立がカギ

アトピー性皮膚炎は、治療だけで完全に治すことが難しいこともあります。

しかし、適切な治療を受けつつ、生活習慣を改善することで、症状をコントロールしやすくなります。

当院では、患者さん一人ひとりの症状に合わせたスキンケアや生活習慣のアドバイスを行っています。

最後に

アトピー性皮膚炎を「生活習慣病」と捉え、日々の生活の中で工夫を続けることが大切です。

小さな積み重ねが大きな改善につながります。お困りの際は、ぜひご相談ください。

やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック 山口裕礼

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。