ホルモンバランスと自律神経の乱れからくる病気について

私たちの体は、ホルモンと自律神経が密接に関わり合いながら、体内のさまざまな機能を調整しています。

しかし、このバランスが崩れると、思わぬ病気や不調を引き起こすことがあります。

今回は、ホルモンバランスと自律神経の乱れによる病気、そしてその改善方法についてご紹介します。

1. ホルモンバランスの乱れによる病気

ホルモンは、身体を正常に保つために欠かせない物質です。

しかし、ストレスや加齢、生活習慣の乱れなどが原因でバランスが崩れると、以下のような病気が生じます。

① 女性特有のホルモンバランスの乱れ

  • 月経不順・無月経
    エストロゲンやプロゲステロンの分泌が乱れると、月経が不規則になったり止まることがあります。
  • 更年期障害
    加齢によりエストロゲンが低下することで、ほてり、発汗、不眠、イライラなどの症状が現れます。
  • 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
    排卵がスムーズに行われず、生理不順、不妊、ニキビ、多毛などが見られます。

② 甲状腺ホルモンの異常

  • 甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
    甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで、動悸や体重減少、イライラ感が引き起こされます。
  • 甲状腺機能低下症
    ホルモンが不足すると、倦怠感、むくみ、体重増加などの症状が出ます。

③ ストレスホルモンの過剰分泌

クッシング症候群
副腎皮質ホルモン(コルチゾール)が過剰に分泌され、肥満や高血圧、骨粗しょう症などが起こります。

2. 自律神経の乱れによる病気

自律神経は、交感神経(活動モード)と副交感神経(リラックスモード)から成り、体の調整役を担っています。

このバランスが崩れると、以下のような症状が見られます。

  • パニック障害
    突然の動悸、不安感、息苦しさに襲われることがあります。
  • 過敏性腸症候群(IBS)
    ストレスが原因で腸の動きが乱れ、下痢や便秘が交互に現れることがあります。
  • 緊張型頭痛
    ストレスや筋肉の緊張が原因で頭痛が起こります。
  • 冷え性や手足のしびれ
    自律神経が乱れると血流が悪くなり、末端の冷えやしびれが生じます。
  • 不眠症
    交感神経が優位になり続けると、寝つけなくなったり、浅い眠りになりがちです。
  • 慢性疲労症候群
    長期間にわたる倦怠感が特徴で、自律神経の乱れが関係していると考えられます。

3. ホルモンバランスと自律神経の乱れが重なる場合

ホルモンと自律神経のバランスが同時に乱れると、複合的な症状が現れます。

Warning

更年期障害: エストロゲンの低下が自律神経の乱れを引き起こし、動悸やほてり、不眠が現れます。

ストレスによる不調: 慢性的なストレスがコルチゾールの分泌を過剰にし、自律神経の調整を妨げます。

うつ病・不安障害: ホルモンの異常が神経伝達物質に影響を及ぼし、自律神経の乱れと重なって症状を悪化させることがあります。

4. 改善のための取り組み

ホルモンバランスや自律神経の乱れによる不調は、生活習慣や医療の力で改善できる場合があります。

① 生活習慣の見直し

  • 規則正しい生活: バランスの良い食事、十分な睡眠、適度な運動を心がけましょう。
  • ストレスの緩和: ヨガや瞑想、深呼吸など、心を落ち着ける習慣を取り入れてください。
  • 自律神経を整える習慣: 温冷交代浴や軽いリズム運動が効果的です。

② 医療のサポート

  • 必要に応じてホルモン値の測定や血液検査を受けましょう。
  • ホルモン補充療法が有効な場合もありますので、医師に相談してください。
  • 自律神経の評価を行い、体調管理に役立てることもおすすめです。

まとめ

Danger

ホルモンや自律神経のバランスの乱れは、生活に支障をきたす不調を引き起こします

しかし、生活習慣を見直し、必要に応じて医療の力を借りることで改善することが可能です。

不調を感じたら無理をせず、専門医に相談してください。

当クリニックでもサポートいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック 山口裕礼
あなたの健康を全力でサポートします!

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。