🚬たばこをやめたのに、なぜ息苦しい?

〜COPD後の肺と“加齢の限界”を知る〜

「タバコはちゃんとやめたのに、まだ息が苦しい…」
「もう悪いことしてないのに、どうして治らないの?」

そんなふうに、努力が報われないような感覚を持っている方も多いのではないでしょうか。
でも、その“息苦しさ”にはちゃんと理由があります。

🫁たばこはやめた=完全に元に戻る…ではない

確かに禁煙は最大の治療であり、未来のリスクを大きく減らす素晴らしい選択です👏
しかし、慢性閉塞性肺疾患(COPD)と診断されたことのある方は要注意。

COPDは、以下のような“構造変化”を肺に残してしまう病気です👇

❌ 肺胞(酸素を取り込む小部屋)が壊れてしまう

❌ 気道の壁が厚くなり、空気の通りが悪くなる

❌ 炎症が慢性的に残りやすい

これらは一度壊れると自然には戻らない=不可逆的変化と言われています。

👴さらに“加齢”が重なると…

年齢を重ねることで、誰の肺でも👇

  • 気道のしなやかさが失われる
  • 呼吸筋(横隔膜や肋間筋)が衰える
  • 肺の酸素交換効率が下がる

つまり、「たばこによるダメージ+加齢のダブルパンチ」で、
禁煙後も息苦しさが続くケースがあるのです。

🔬抗酸化・抗炎症ケアの“可能性と限界”

現在の医療では、壊れた肺をもとに戻すことはできません。
ですが、「それ以上悪化させない」「炎症を抑える」ケアは可能です👇

✅ 抗酸化ケア

● ビタミンC・E、ポリフェノール(緑茶・カカオなど)
● 呼吸筋を守るための適度な運動
● ストレスや酸素不足への対策

✅ 抗炎症ケア

● 食生活の見直し(糖質・トランス脂肪酸の制限)
● EPA/DHA(青魚)やオリーブオイルの摂取
● 呼吸リハビリ、吸入治療の継続

✅ 定期的な検査・モニタリング

● スパイロメトリーによる肺機能の測定
● 酸素飽和度のチェック
● 呼吸器専門医によるフォローアップが大切です。

🌱できることに目を向けていこう

「たばこをやめたのに息苦しい…」
それはあなたのせいではありません。

でも、そこで立ち止まらないことがとても大切です。

🔁今日からできる呼吸のセルフケア

  • 口すぼめ呼吸
  • ゆっくり吐く習慣
  • 肩の力を抜いた深呼吸
  • 背筋を伸ばして肺を広げる姿勢意識

💡まとめ|禁煙は“ゴール”ではなく“スタート”

禁煙は本当に素晴らしい第一歩です。
でも、それで「すべてが終わる」わけではありません。

これからの肺を“守っていく”ことが、息苦しさとの共生に必要な視点です。

抗加齢医学的アプローチでは、
「年齢による限界を知りつつ、どう生きやすくするか」を重視します。

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
資格:
<医学・医療>医学博士、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医、日本喘息学会認定喘息専門医、日本内科学会認定内科医、日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
<予防医学・代替医療・環境>
環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士、漢方コーディネーター、内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー、日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士、腸内環境解析士、日本温活協会認定温活士、薬膳調整師、管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、日本フェムテックマイスター協会公認フェムテックマイスター®上級、公認妊活マイスター®Basic、日本スキンケア協会認定スキンケアアドバイザー、メンタル士心理カウンセラー
<文化・生活>
日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ、ローズソムリエ®(バラ資格)