セイコーゴールデングランプリ陸上2026東京へ行ってきました

セイコーゴールデングランプリ陸上2026東京へ行ってきました

やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です。

本日は、セイコーゴールデングランプリ陸上2026東京を観戦するため、MUFGスタジアム、国立競技場へ行ってきました。

青空の下、国立競技場に入った瞬間から、すでに空気が違いました。

観客席の熱気、トラックの緊張感、フィールド競技の集中、そして大型ビジョンに映し出される世界トップレベルの選手たち。

まさに大会のキャッチコピー通り、
「どこを見ても、世界最高峰」
という言葉がぴったりの一日でした。

セイコーゴールデングランプリ陸上2026東京の大会プログラム
大会プログラム。「どこを見ても、世界最高峰」
なぜ呼吸器内科の医師が陸上大会へ行くのか

当院には、陸上競技やランニングをされている患者さんが多く通院されています。

トレイルランニング、マラソン、日々のランニング。

高校生であれば、短距離、中距離、長距離。

部活動、記録会、大会、駅伝、趣味のランニングまで、さまざまです。

その中でよく相談されるのが、

「走ると苦しくなる」

「運動中に咳が出る」

「練習の後半で胸が苦しい」

「スピードを上げると呼吸がついてこない」

「風邪ではないのに、運動後に咳が続く」

という症状です。

もちろん、単なる体力不足やコンディション不良のこともあります。

しかし中には、運動誘発喘息、現在の医学的には運動誘発気管支収縮:EIBと呼ばれる状態の方がいます。

走る人が「苦しい」と感じるとき、そこには単なる体力や根性だけでは説明できない理由が隠れていることがあります。

だからこそ私は、まずその苦しさの原因を丁寧に見極め、できるだけ安全に走り続ける方法を一緒に考えたいと思っています。

むしろ、

「どうすれば安全に、楽しく、長く走れるか」

を一緒に考えたいと思っています。

そのためにも、実際に陸上の現場に足を運び、競技の空気、選手の呼吸、観客の熱、そして走ることの魅力を感じておきたい。

それが、今回国立競技場へ向かった大きな理由です。

男子100m、ノア・ライルズ選手と桐生祥秀選手に沸いた国立

この日の最大の盛り上がりの一つは、やはり男子100m決勝でした。

ノア・ライルズ選手、桐生祥秀選手、小池祐貴選手、山縣亮太選手、飯塚翔太選手らが並んだスタートライン。

会場全体が息を飲むような数秒間でした。

男子100m決勝前、スタートラインに並ぶ選手たち
男子100m決勝前、スタートラインに並ぶ選手たち
男子100m決勝前、大型ビジョンに映る選手紹介
男子100m決勝前、大型ビジョンに映る選手紹介

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    <p>結果は、ノア・ライルズ選手が<strong>9秒95</strong>で優勝。</p>

    <p>桐生祥秀選手も世界のトップスプリンターたちと同じトラックで力走し、スタジアム全体が大きく沸きました。</p>



    <p>100mはわずか10秒前後の競技です。</p>

    <p>しかしその10秒に、何年もの練習、技術、筋力、集中、そして呼吸が詰まっています。</p>

    <p>スタート前の静寂。</p>

    <p>号砲。</p>

    <p>一斉に飛び出す選手たち。</p>

 

 

    <!-- 写真8:フィニッシュ後、9秒95が表示された写真をここに挿入 -->
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ノア・ライルズ選手、9秒95でフィニッシュ

現地で見る100mは、テレビで見る以上に迫力がありました。

走る人に伝えたいこと:「苦しい」は根性の問題だけではありません

陸上競技を見ていて改めて感じたのは、走るという行為は、脚だけのスポーツではないということです。

筋力、フォーム、接地、ピッチ、ストライド。

もちろんそれらは重要です。

しかし同時に、走ることは呼吸のスポーツでもあります。

息を吸う。

酸素を取り込む。

肺から血液へ酸素を渡す。

心臓が全身へ送る。

筋肉がそれを使って動く。

この流れのどこかに問題があると、思うように走れません。

特に運動誘発喘息、運動誘発気管支収縮では、運動中または運動後に気道が狭くなり、咳、喘鳴、息切れ、胸の苦しさ、運動パフォーマンスの低下などが出ます。

「練習不足だから」

「メンタルが弱いから」

「みんな苦しいのだから我慢しなさい」

そう言われてしまうと、患者さんは相談しにくくなります。

しかし、医学的に評価すべき息苦しさがあります。

運動誘発喘息は、激しい運動後に起こる一過性の気道狭窄であり、診断には問診だけでなく、肺機能の変化を確認することが重要です。

また、競技レベルのアスリートでは、治療薬とドーピング規定、必要に応じたTUEにも注意が必要です。


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  <summary>それでも、喘息があるから運動をあきらめる必要はありません</summary>
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大事なのは、

喘息があるから走れない

ではなく、

喘息をきちんと管理して走る

という考え方です。

喘息があっても、症状を適切に管理すれば、多くの方がスポーツや運動を続けることができます。

運動前の準備、ウォームアップ、クールダウン、吸入薬の適切な使用、寒冷時や花粉・黄砂・大気汚染が強い日の対策などによって、症状を軽減できることがあります。

当院でも、走ると苦しくなる方には、症状の出方、季節、アレルギー、呼気NO、肺機能、吸入薬の使い方、練習環境などを総合的に見ながら考えていきます。

大切なのは、「走ることを止める医療」ではなく、走り続けるための医療です。

国立競技場で感じた、応援する医療の意味
国立競技場に響く和太鼓の演奏
国立競技場に響く和太鼓の演奏

今日、国立競技場で多くの選手を見ながら、私は当院の患者さんたちの顔を思い浮かべていました。

仕事の前後に走る方。

週末にマラソン大会へ出る方。

山を走るトレイルランナー。

部活で自己ベストを目指す高校生。

喘息がありながらも、走ることが好きな方。

呼吸器内科医としてできることは、薬を出すことだけではありません。

患者さんが何を大切にしているのか。

何を続けたいのか。

どんな目標に向かっているのか。

そこを理解したうえで、医療を組み立てることが大切だと思っています。

今日の大会で、ノア・ライルズ選手の9秒95、桐生祥秀選手の力走、そして世界トップレベルの選手たちの競技を見て、改めて感じました。

スポーツには、人を前向きにする力があります。

そして医療には、その挑戦を支える役割があります。

走ると苦しくなる方へ

走っていて苦しくなる。

咳が出る。

胸が締めつけられる。

ゼーゼーする。

運動後に咳が長引く。

記録が急に落ちた。

そのような症状がある方は、我慢だけで済ませないでください。

もちろん、すべてが喘息とは限りません。

貧血、心臓の問題、喉の問題、アレルギー、感染後の咳、コンディション不良など、原因はいろいろあります。

しかし、原因がわかれば対策が立てられることがあります。

走る人を、呼吸から支える。

これも呼吸器内科の大切な役割です。

本日のセイコーゴールデングランプリ陸上2026東京は、競技としても、医療者としても、大きな刺激を受ける一日でした。

これからも当院は、マラソンを走る方、トレイルを走る方、部活で頑張る学生さん、健康のためにランニングを続けたい方を、呼吸器内科の立場から応援していきます。

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
からだ整えラボ
① 医学=呼吸器・アレルギー
② 生活=腸・温活・食・睡眠・肌
③ 幸福=働き方・環境・園芸
“病気を診るだけでなく、人をまるごと診たい”
——その思いを胸に、学びを続けています。
医学的根拠 × 生活習慣 × 心の豊かさ
三位一体の医療をめざしています。
資格:
<医学・医療>医学博士、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医、日本喘息学会認定喘息専門医、日本内科学会認定内科医、日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
<予防医学・代替医療・環境>
機能的骨盤底筋エクササイズpfilAtes™認定 インストラクター国際資格← NEW✨
カラダ取説®マスター・ジェネラル
環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士、漢方コーディネーター、内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー、日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士、腸内環境解析士、日本温活協会認定温活士、薬膳調整師、管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、日本フェムテックマイスター協会公認フェムテックマイスター®上級、公認妊活マイスター®Basic、日本スキンケア協会認定スキンケアアドバイザー、メンタル士心理カウンセラー、アーユルヴェーダアドバイザー、快眠セラピスト、安眠インストラクター
<文化・生活>
日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ、ローズソムリエ®(バラ資格)
<受賞歴>
第74回日本アレルギー学会学術大会「働き方改革推進奨励賞」受賞