クリニックだより

日々の気づきと心の平穏

日々の気づきと心の平穏

皆さま、こんにちは。やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です。

最近感じられるのは「心の余裕がない」患者さんが増えている感じがします。

それに伴い症状も不安定となります。

このような文章を書く理由は、私が多くの患者さまを診察し、皆さまの生活がより良くなることを願っているからです。

皆さまには心身ともに健やかに過ごしていただきたいという思いから、全力でこの文章を書いています。

本日は、少し重いかもしれませんが、とても大切な話をさせていただきます。

私はこれまで、大学病院で肺がんや肺炎などの重篤な病気を抱える患者さまを多く診てきました。

その中で、多くの方々の最期に立ち会い、「どのように人生を終えるか」という問題に深く考えさせられる機会が何度もありました。

日々の心の持ちようがもたらすもの

最期を穏やかに迎えられる方には共通する特徴があります。

それは、日々を大切にし、心にゆとりを持っているということです。

反対に、日常的に不満や焦りを感じながら過ごしている方は、最後の瞬間も落ち着かないことが多いです。

実際、研究でも心の持ち方が健康に大きな影響を与えることが証明されています。

穏やかな心を保つことで、副交感神経が働き、心拍数が整い、体全体のリラックスが促進されます。

こうした心身の状態は、日常の生活の質を向上させ、長い目で見れば、人生の最期にも影響を与えるのです。

日常に心の余裕を取り入れる

日常生活で心の余裕を持ち続けることは簡単ではありません。

忙しい日々の中で、些細なことに気づく余裕を持つのは難しいと感じるかもしれません。

しかし、ふとした瞬間に立ち止まり、小さな喜びやありがたさを感じることが、心の安定につながります。

例えば、当院にお越しいただく患者さまの多くが「ありがとうございます」と言ってくださいます。

私たちも「お大事になさってください」とお返しすることが多く、言葉のやり取りから生まれる温かさを感じます。

このような何気ないやり取りは、心の中で小さな光を灯し、自分の体や日常に対する新たな気づきをもたらします。

歴史からの学び

過去の偉人たちも、心の持ち方の大切さを説いています。

哲学者のセネカは「幸福は我々の内面から来る」と述べ、日々の気づきや心のゆとりが内面の平和を育むと考えていました。

また、ダライ・ラマ14世は、「日々のちょっとした思いやりが人生を豊かにする」と語り、心の持ちようが人間関係や心の安定に寄与することを説いています。

実践のヒント

では、どうすれば日々の生活に心のゆとりを取り入れられるでしょうか?以下のような具体的な行動が役立つかもしれません。

  • 日記をつける:毎日、その日に気づいた小さな良いことを書き留めてみてください。「今日、心地よい風を感じた」「誰かと笑った」など、何気ないことに目を向けるだけで心がほぐれます。
  • 朝のルーティン:朝起きたときに、今日という日に少しの期待や喜びを見つけてみましょう。「新しい一日が始まる」ことに気持ちを向けるだけで、前向きな一日をスタートできます。
  • 人への思いやり:誰かに「ありがとう」を伝える習慣をつけましょう。ちょっとした言葉のやり取りが、相手にも自分にも温かい気持ちをもたらします。

困難なときこそ心の余裕を

もちろん、辛い状況にいるときは心の余裕を持つのは難しいものです。

しかし、そんなときでも、小さな喜びを見つける努力をしてみてください。

例えば、「今日は少しでも笑顔になれた」「誰かが優しい言葉をかけてくれた」といったことです。

過去の良い経験を思い出したり、支えてくれる人々に目を向けることも助けになります。

幅広い価値観を受け入れる

心の余裕やありがたみを感じる対象は、人それぞれ異なります。

人だけでなく、自然や日常の出来事など、あなたにとって大切なものなら何でも構いません。

自由に解釈し、自分に合った形で心を豊かにしてください。

科学的な視点から

心の余裕や日々のちょっとした気づきが健康にもたらす効果は、多くの研究で証明されています。

例えば、定期的に心を落ち着ける習慣を持つと、ストレスホルモンであるルチゾールの減少が見られることが多いことがわかっています。

こうした事実は、心の持ちようがどれほど大切かを示しています。

最後に

日々の小さな気づきや心の余裕が、皆さまの生活や心の平穏を育て、最終的には人生の豊かさにつながると信じています。

ぜひ、日常の中で心を豊かにする瞬間を見つけ、健やかな毎日をお過ごしください。

当院にお越しいただく患者さまから「ありがとうございます」と言っていただけることは、私たちにとっても、皆さまにとっても大変意義深いことです。

それが互いの心を温かくし、より良い関係を築く助けになっていると感じています。

これからも、皆さまの健康を全力でサポートしてまいります。

やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック
山口裕礼


投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。