免疫寛容とは?体の健康を支える「バランスの力」

こんにちは。やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です。

今日は「免疫寛容」というテーマについてお話しします。

免疫寛容は、健康を守るうえで重要な働きをしているものの、あまり知られていない言葉かもしれません。

実は、私たちの体が日々バランスを保ちながら元気でいられるのは、この免疫寛容のおかげです。

Information

免疫寛容とは、体の免疫システムが「必要なもの」と「不要なもの」をうまく見分けて、必要以上に攻撃しないように調整している状態を指します

免疫寛容の役割

  1. 自分自身を守る
    免疫システムは、本来「異物」を排除する働きをしますが、自分自身の細胞や組織を「敵」と誤認して攻撃しないようにする仕組みが免疫寛容です。これにより、自己免疫疾患の発生を防ぎます。
  2. アレルギーの抑制
    免疫寛容が正常に働いていると、花粉や食物といった通常は無害なものに過剰反応せず、アレルギーを抑えることができます。
  3. 移植治療の成功に貢献
    臓器移植や骨髄移植の際、免疫寛容が働くことで移植された臓器や組織が拒絶されるのを防ぎます。
  4. 腸内環境の安定
    免疫寛容は腸内フローラとも密接に関係しており、腸内の善玉菌を「味方」として認識し、バランスを保つ働きをしています。

免疫寛容が乱れる原因

  • ストレス
    強いストレスは免疫機能のバランスを乱し、免疫寛容が低下する可能性があります。
  • 不規則な生活習慣
    睡眠不足や運動不足、偏った食事は免疫システム全体に影響を与えます。
  • 腸内環境の悪化
    腸内フローラの乱れは、免疫寛容の低下につながると考えられています。
  • 感染症や薬剤の影響
    一部の感染症や薬剤が免疫寛容に影響を及ぼすことがあります。

免疫寛容を高めるための方法

  1. バランスの取れた食事
    腸内環境を整えるために、食物繊維や発酵食品を積極的に摂りましょう。ビタミンやミネラルが豊富な野菜や果物もおすすめです。
  2. 質の良い睡眠
    睡眠中に免疫システムがリセットされるため、毎日十分な睡眠時間を確保することが重要です。
  3. 適度な運動
    軽いウォーキングやストレッチなど、負担の少ない運動を取り入れることで免疫機能を活性化させます。
  4. ストレスを上手に解消する
    趣味やリラクゼーションを通じてストレスを減らすことで、免疫寛容をサポートできます。
  5. 腸内フローラを整える
    善玉菌を増やすために、ヨーグルト、納豆、味噌汁などを食生活に取り入れてみてください。

医師からのメッセージ

免疫寛容は、体の健康を守るための「バランスの力」と言えます。

Warning

このバランスが崩れると、アレルギーや自己免疫疾患、慢性的な炎症などの症状が現れることがあります

生活習慣を少し見直すだけでも、免疫寛容を高めることが可能です。

もし体の不調や免疫の働きについて気になることがあれば、ぜひ当クリニックにご相談ください。

あなたの健康を支えるお手伝いをさせていただきます。

やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック
山口裕礼

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
資格:医学博士、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医、日本喘息学会認定喘息専門医、日本内科学会認定内科医、日本喘息学会認定吸入療法エキスパート

環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士、漢方コーディネーター、内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー、日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士、腸内環境解析士、日本温活協会認定温活士、薬膳調整師、管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ、ローズソムリエ®(バラ資格)