喘息(ぜんそく)に使用する薬で、東と西の大関
多くの場合、薬を選択するのは医師ですが患者さんも薬の特徴を知っておく必要があります。
アテキュラは比較的新しい吸入薬で、当院では多く使用しております。
フルティフォームは噴霧(スプレー)式の吸入薬であり、粉状(パウダー)の吸入薬が苦手な方にメリットがあります。
当院は両方の薬を数多くの使用経験があります。
それによって分かった事をお伝えします。
※ 大関レベルでは、その他にシムビコート(後発はブデホル)、アドエア、レルベアがあります。
アテキュラとフルティフォームの最大の特徴
一つの吸入器の中に2つの薬が入っていること
2つの薬の内容
● 吸入ステロイド(空気の通り道の荒れを整える)
● 長時間作用型β2刺激薬(空気の通り道を広げ、咳を止める)
共通する内容
・中に入っている2つの薬が同様な内容
・薬の強さがほぼ同等
アテキュラ高=フルティフォーム1回4吸入 朝晩吸入
アテキュラ中=フルティフォーム1回2吸入 朝晩吸入
アテキュラ低=フルティフォーム1回1吸入 朝晩吸入
・値段も同じくらい
異なる内容
メーカー
・アテキュラ:ノバルティスファーマ(スイス)、ぜんそく吸入薬では新しい
・フルティフォーム:杏林、ぜんそく吸入薬では珍しい日本のメーカー
薬の性状
・アテキュラ:粉状(パウダー)の吸入薬
・フルティフォーム:噴霧(スプレー)式の吸入薬
吸入回数
・アテキュラ:一日1回の吸入で24時間効果あり
・フルティフォーム:一日2回の吸入で24時間効果あり
吸い方
・アテキュラ:ゆっくり優しく吸えるため、一度練習すれば多くの患者さんで吸入できる
・フルティフォーム:息を吸いながら、吸入器を押して霧状の薬を出し大きく深く吸い込む(押し込むタイミングがなかなか難しくトレーナーで練習が必要)
吸入できたか否かの確認方法
・アテキュラ:耳で聞いて(カラカラ音が鳴る)、目で見て分かる(カプセルの粉が無くなる)ため、ほぼ確実に吸入できる
・フルティフォーム:分かりずらい、トレーナーという練習器で練習が必要
吸うための口の当てやすさ(フィット感)
・アテキュラ:タピオカのストローと同じ感じでフィットしやすい
・フルティフォーム:唇とフィットしやすい
吸入するまでの操作
・アテキュラ:カプセルをセットして穴をあける作業が必要、一度覚えれば間違いが無く、面倒でもなく評判も良い
・フルティフォーム:吸入器を押す操作のみで比較的簡単
吸入方法の薬局での再確認
・アテキュラ:一度覚えれば、ほぼ再確認は必要ないが不都合があれば必要
・フルティフォーム:一度覚えても時間がたつと吸入するタイミングがずれることもあり、定期的な再確認が必要(個人差あり)
吸い方のテクニック
・アテキュラ:ゆっくり優しく吸う
強く吸うと、のどに張り付いてムセる感じがします。
熱湯のお茶をすするように、ゆっくりと吸い始めます
カプセルがカラカラなったら、そのままの勢いで吸います
声がれ、のどの痛み、口腔内カンジダは少ない印象
・フルティフォーム:大きく深く吸う
吸入をするときに吸入器を押して霧状の薬を出すが 押し込む時に力を要するのが難点
吸入補助器(フルプッシュ)を使用すると楽に押し込むことができる
フルティフォームのトレーナー
当院の佐々木がアドバイスもして生まれた吸入練習器(トレーナー)が優秀です
患者さんの立場からできること
患者さんによって薬の合う、合わないは個人差が多くあります。
患者さんから担当の先生に薬の変更を申し出ることは可能です。
困った場合は相談をしてみてください。
今、アテキュラを使用していて「咳や痰、息切れ」のいずれかで困っていればフルティフォーム、レルベアもしくはアドエア、他の吸入薬に変更する
今、フルティフォームを使用していて「咳や痰、息切れ」のいずれかで困っていたらレルベアもしくはアテキュラ、他の吸入薬に変更する
子どもたちに夢のかけはしを!
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投稿者プロフィール
- 2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。
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