COPD(慢性気管支炎)に使用する薬で、東と西の横綱
現在は二つのメーカーから同じような薬が発売されています。
多くの場合、薬を選択するのは医師ですが患者さんも薬の特徴を知っておく必要があります。
当院は両方の薬を多くの使用経験があります。
それによって分かった事をお伝えします。
ビレーズトリとテリルジーの最大の特徴
一つの吸入器の中に3つの薬が入っていること
3つの薬の内容
● 吸入ステロイド(空気の通り道の荒れを整える)
● 長時間作用型β2刺激薬(空気の通り道を広げ、咳を止める)
● 抗コリン薬(空気の通り道を保とうとし、痰を減らし、咳も止める)
共通する内容
・中に入っている3つの薬が同様な成分
・薬の強さがほぼ同等
ビレーズトリ=テリルジー100
・値段も同じくらい
異なる内容
メーカー
・ビレーズトリ:アストラゼネカ(イギリス)、COPDの吸入薬では新しい
・テリルジー:グラクソスミスクライン(イギリス)、COPDの吸入薬では歴史がある
薬の性状
・ビレーズトリ:噴霧(スプレー)式の吸入薬
・テリルジー:粉状(パウダー)の吸入薬
吸入回数
・ビレーズトリ:一日2回の吸入で24時間効果あり
・テリルジー::一日1回の吸入で24時間効果あり
吸い方
・ビレーズトリ:息を吸いながら、吸入器を押して霧状の薬を出し大きく深く吸い込む(押し込むタイミングがなかなか難しくトレーナーで練習が必要
・テリルジー:強く深く吸うため、高齢者やトレーナーで練習されていない場合は注意が必要
苦み
・ビレーズトリ:特に感じない
・テリルジー:苦みがあるが、事前に知っていれば許容範囲内
吸入できたか否かの確認方法
・ビレーズトリ:分かりずらい、トレーナーという練習器で練習が必要
・テリルジー:分かりずらい、トレーナーという練習器で練習が必要
吸うための口の当てやすさ(フィット感)
・ビレーズトリ:唇とフィットしやすい
・テリルジー:やや口を当てづらい(空気漏れの原因となる)
吸入するまでの操作
・ビレーズトリ:吸入器を押す操作のみで比較的簡単
・テリルジー:蓋を開ける操作のみで容易。
吸入方法の薬局での再確認
・ビレーズトリ:一度覚えても時間がたつと吸入するタイミングがずれることもあり、定期的な再確認が必要(個人差あり)
・テリルジー:一度覚えても時間がたつと吸入が弱くなる可能性があるため、定期的な再確認が必要(個人差あり)
吸入した時のむせ込む印象
・ビレーズトリ:特にない
・テリルジー:時にあり
ビレーズトリのトレーナー
当院の佐々木がアドバイスもして生まれた吸入練習器(トレーナー)が優秀です
フルティフォーム用に開発されてものですがビレーズトリで代用できます
患者さんの立場からできること
患者さんによって薬の合う、合わないは個人差が多くあります。
患者さんから担当の先生に薬の変更を申し出ることは可能です。
困った場合は相談をしてみてください。
今、ビレーズトリを使用していて「咳や痰、息切れ」のいずれかで困っていればテリルジーに変更する
今、テリルジーを使用していて「咳や痰、息切れ」のいずれかで困っていたらビレーズトリに変更する
子どもたちに夢のかけはしを!
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投稿者プロフィール
- 2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。
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