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好酸球性副鼻腔炎についてのご案内

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好酸球性副鼻腔炎についてのご案内

好酸球性副鼻腔炎は、多くの方にとって馴染みの少ない病名かもしれませんが、日常生活に大きな影響を与える慢性の疾患です。

この疾患は、鼻の通り道である副鼻腔に炎症が生じ、鼻茸(ポリープ)が複数形成されることで特徴づけられます。

特に両側の鼻腔に影響を及ぼし、手術による除去後も再発しやすいという難治性を持っています。

症状

好酸球性副鼻腔炎には以下のような症状が見られます。

・鼻茸: 鼻腔内に多発性の鼻茸が形成され、鼻づまりや鼻水の原因となります。

・嗅覚障害: 鼻茸による嗅覚神経の障害により、嗅覚が低下します。

・鼻づまり: 鼻腔が鼻茸によって塞がれ、息苦しさを感じます。

・鼻水: 粘り気のある鼻水の発生。

・後鼻漏: 鼻水が喉に流れ込み、違和感や咳を引き起こします。

・頭痛と顔面痛: 副鼻腔の炎症により、頭痛や顔面に痛みを感じることがあります。

原因

好酸球性副鼻腔炎の正確な原因はまだ完全には解明されていませんが、アレルギーやアスピリン喘息との関連が指摘されています。

また、真菌感染や遺伝的要因も疾患の発症に関与している可能性があります。

治療

この疾患の治療法には、薬物療法や手術療法、免疫療法が含まれます。

・薬物療法: ステロイド薬は鼻茸の炎症を抑えるのに有効です。マクロライド系抗菌薬には抗炎症効果があり、抗アレルギー薬はアレルギー症状を軽減します。

・手術療法: 内視鏡を使用した手術で鼻茸を切除し、副鼻腔の換気を改善します。

・生物学的製剤: アレルゲンに対する免疫反応を抑制し、症状の悪化を防ぎます。

好酸球性副鼻腔炎と特定疾患について

好酸球性副鼻腔炎は、慢性的な鼻の病気であり、特定疾患(難病)に指定されている場合があります。

治療が困難であり、手術後も再発のリスクが高いことから、長期にわたる管理が必要な難治性疾患の一つです。

特定疾患としての対応

特定疾患(難病)として認定されることで、医療費の支援や治療に関する情報提供など、患者さんとその家族をサポートする制度があります。

これにより、経済的な負担の軽減と共に、適切な治療を受けやすくなることが期待されます。

生物学的製剤による治療

好酸球性副鼻腔炎の治療には、従来の薬物療法や手術療法の他に、生物学的製剤を用いた治療が近年注目されています。

この治療法では、特定の免疫応答を調節することで炎症を抑制し、症状の改善を図ります。

生物学的製剤は、疾患の根本的なメカニズムに働きかけるため、選択された患者さんにとって有効な選択肢となり得ます。

まとめ

好酸球性副鼻腔炎は、難治性の疾患ではありますが、適切な治療を受けることで症状を管理し、生活の質を向上させることが可能です。

治療方法には個人差があり、長期にわたるケースもありますので、医師との密接な相談が重要です。

皆さまが抱える疑問や不安に、私たちが一緒に向き合い、最適な治療法を見つけていきましょう。

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。