喘息と好酸球:知っておきたい大切な関係

喘息と好酸球:知っておきたい大切な関係
みなさん、こんにちは。クリニックで働いている医師です。
今回は、喘息における好酸球の役割とその重要性について話したいと思います。
喘息の症状に悩む方々にとって、この情報が少しでもお役に立てば幸いです。
好酸球とは何か?
好酸球は、私たちの免疫システムの一員である白血球の一種です。
その主な役割は、体を寄生虫攻撃から守ることですが、細菌感染との戦いにも参加します。
健康な状態では、好酸球は体のバランスを保つために必要ですが、喘息を持つ方々ではこのバランスが崩れることがあります。
喘息における好酸球の影響
喘息患者さんでは、好酸球が必要以上に多くなり、活性化することがあります。
これらの活性化した好酸球は、気道の上皮細胞を攻撃することで以下のような問題を引き起こします。
- 炎症と過敏性の増加:気道が敏感になり、外部の刺激に過剰に反応します。
- 気道の狭窄:炎症と腫れが原因で、空気の流れが制限されます。
- 粘液の過剰分泌:気道が粘液で塞がれ、呼吸が困難になります。
これらはすべて、喘息の発作を引き起こしやすくします。
好酸球数の管理と喘息のコントロール
喘息の治療と管理には、好酸球の数を正確に知ることが重要です。
血液検査により、好酸球の数を測定することができます。
血液中の好酸球数が多い場合、それは喘息が十分にコントロールされていない可能性を示しています。
好酸球の数を減らすためには、以下の治療が有効です。
- 吸入ステロイド薬:気道の炎症を抑え、好酸球の増殖を抑制します。
- 抗アレルギー薬:アレルギー反応を抑え、好酸球の活性化を防ぎます。
- 生物学的製剤:好酸球の働きを特異的に阻害し、喘息の症状を管理します。
これらの治療法を適切に用いることで、好酸球をコントロールし、喘息の症状を軽減できます。
まとめ
喘息の管理において、好酸球は重要な指標です。
適切な治療により好酸球をコントロールすることで、喘息の発作のリスクを減らし、日常生活の質を向上させることが可能です。
もし、自分の喘息管理について不安がある場合、または好酸球数についての詳細を知りたい場合は、遠慮なく私たちのクリニックまでご相談ください。
投稿者プロフィール

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からだ整えラボ
① 医学=呼吸器・アレルギー
② 生活=腸・温活・食・睡眠・肌
③ 幸福=働き方・環境・園芸
“病気を診るだけでなく、人をまるごと診たい”
——その思いを胸に、学びを続けています。
医学的根拠 × 生活習慣 × 心の豊かさ
三位一体の医療をめざしています。
資格:
<医学・医療>医学博士、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医、日本喘息学会認定喘息専門医、日本内科学会認定内科医、日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
<予防医学・代替医療・環境>
カラダ取説®マスター・ジェネラル ← NEW✨
環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士、漢方コーディネーター、内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー、日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士、腸内環境解析士、日本温活協会認定温活士、薬膳調整師、管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、日本フェムテックマイスター協会公認フェムテックマイスター®上級、公認妊活マイスター®Basic、日本スキンケア協会認定スキンケアアドバイザー、メンタル士心理カウンセラー、アーユルヴェーダアドバイザー、快眠セラピスト、安眠インストラクター
<文化・生活>
日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ、ローズソムリエ®(バラ資格)
<受賞歴>
第74回日本アレルギー学会学術大会「働き方改革推進奨励賞」受賞
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