なぜ8月から咳が止まらないのか – 2024年度版
8月も半ばを過ぎると、毎年のように多くの患者さんが「咳が止まらない」と診察に訪れます。今年も例外ではありません。
ある日、当クリニックを訪れた30代の女性、佐藤さん(仮名)は、1週間前から続く喉の痛みと咳に悩まされていました。
「最初は喉が痛かったんです。喉飴をなめたり、うがいをして少し良くなったんですが、その後から咳が出始めてしまって…。特に夜になるとひどくて、眠れないこともあるんです。」
佐藤さんのようなケースは、この時期には珍しくありません。
8月になると、光化学スモッグや台風、エアコンの使用、お盆の疲れ、子供からの風邪が重なり、多くの人が咳の症状を訴えます。
8月から咳が続く患者さんたちの声
私たちのクリニックには、次のような症状を抱える方々が多く訪れます。
- 喉が痛くなり、その後に咳が出始めた
- 喉の痛みは治まったが、咳が止まらない
- 夕方から夜にかけて咳が悪化する
- 夜中に咳で目が覚めてしまう
- 落ち着いていた喘息が8月から悪化した
- 鼻水や痰が出て、咳がひどくなった
そして、時には「夜間の咳が2週間以上続いていて、横になることすらできない」といった深刻な症状を訴える方もいらっしゃいます。
咳が止まらなくなる原因は?
では、なぜ8月になるとこのような症状が増えるのでしょうか?いくつかの要因が考えられます。
- 光化学スモッグの発生:夏の暑さが強まると、光化学スモッグが発生し、これが呼吸器を刺激して咳を引き起こすことがあります。
- 台風の影響:台風がもたらす湿気と風が、アレルギーを悪化させる原因になります。
- エアコンの使用:猛暑の中、エアコンを長時間使用することで、乾燥した空気や急激な温度変化が喉に負担をかけます。
- お盆の疲れ:帰省や旅行での疲れがたまり、免疫力が低下することで、咳が出やすくなります。
- 帰省先でのペットや古い布団:ペットの毛や古い布団に含まれるダニがアレルギー反応を引き起こすこともあります。
- 線香や花火の煙:お盆の行事で吸い込んだ煙が原因で、喉を刺激し咳が止まらなくなることもあります。
- 子供の風邪がうつった:子供の風邪が猛威を振るっています、アデノウイルス、手足口病、マイコプラズマ・・・
8月に咳が出やすい人の特徴
さらに、次のような方々は特に注意が必要です。
- アレルギー体質がある
- ペットを飼っている
- 小児喘息の既往がある
- 血縁者に喘息患者がいる
- 今年の花粉症がひどかった
- 喫煙者
- 風邪をひくと咳が長引きやすい
- 過去に咳喘息や喘息と診断されたことがある
- 副鼻腔炎や蓄膿症があった
まとめ
佐藤さんのように、咳が止まらずに悩んでいる方々には、専門的な診察が必要です。
アレルギーによる咳や息切れの原因を特定し、適切な治療を受けることが重要です。
もし、8月から咳や息苦しさが悪化したと感じる場合は、呼吸器内科・アレルギー科専門の医療機関への受診をお勧めします。
患者さんの体験を通して、私たちは皆さんに少しでも安心してもらえるよう、情報を提供し続けていきます。
咳に悩まされている方は、ぜひ一度ご相談ください。