ありのままを、からだに届ける― 一本のトマトジュースから考えた、整える力 ―

ありのままを、からだに届ける
― 一本のトマトジュースから考えた、整える力 ―
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック
山口裕礼です。
本日、一本のトマトジュースをいただきました。
白い箱に入った、きれいな瓶のジュースです。
ラベルには、かわいらしいトマトの絵。
「ひりょうやさんのトマトジュース」
と書かれていました。
一本のジュースに込められたもの
広島県三原市大和町産のトマトを使った、100%無添加のトマトジュース。
原材料名を見ると、書かれているのは、
ミニトマト
ただ、それだけです。
砂糖も、塩も、香料も、保存料も入っていない。
何かを足して味を作るのではなく、トマトそのものの力で、一本のジュースになっている。
私はそれを見たとき、
「これは、からだを整えるということに近いな」
と思いました。
足すことより、守ること
私たちは日々、何かを足そうとします。
もっと栄養を。
もっと情報を。
もっと治療を。
もっと方法を。
もっと努力を。
もちろん、それが必要な時期もあります。
けれど、からだには、足すことよりも大切な瞬間があります。
それは、
余計なものを減らし、今ある力を守ること。
無理に変えようとせず、今のからだが持っている力を、そっと支えること。
その意味で、このトマトジュースは、とても正直な飲み物でした。
ありのままの味
グラスに注ぐと、少しとろみのある赤い色が広がります。
飲んでみると、最初にやさしい酸味が来て、そのあとに、深い甘みが残ります。
強く主張する味ではありません。
けれど、薄くもない。
静かだけれど、芯がある。
「私はこれで十分です」
と、トマト自身が言っているような味でした。
人のからだも、本当はそうなのかもしれません。
誰かと比べる必要はない。
昨日の自分と同じでなくてもいい。
思うように動けない日があってもいい。
食べられる量が少ない日があってもいい。
眠れない夜があってもいい。
それでも、からだはその日その日を懸命に生きています。
数字では測れない、からだの力
診察室にいると、私はいつも思います。
人は、数字だけで生きているわけではありません。
検査値。
画像。
病名。
治療方針。
もちろん、それらは医療にとって大切です。
医師として、私はそこから目をそらすことはできません。
けれど、人を支えているものは、それだけではありません。
誰かが気にかけてくれていること。
自分のことを忘れずにいてくれる人がいること。
今日もどこかで、誰かが自分に向けて言葉を書いていること。
そういう目に見えないものが、人の奥のほうを支えることがあります。
本当に頑張っている人へ
人はよく、
「頑張ってください」
と言います。
でも、私は最近、その言葉を簡単には使えなくなりました。
なぜなら、本当に頑張っている人は、もう十分に頑張っているからです。
外から見える頑張りだけが、頑張りではありません。
痛みに耐えること。
不安の中で朝を迎えること。
食べられない中で、ひと口に向き合うこと。
眠れない夜を越えること。
誰かを心配させまいとして、静かに笑うこと。
それらはすべて、とても深い頑張りです。
だから私は、
「もっと頑張れ」
とは言いたくありません。
その代わりに、こう思います。
医学だけでは届かない場所
医学には、できることがあります。
そして同時に、医学だけでは届かない場所もあります。
その場所に届くのは、時に、祈りであり、言葉であり、味であり、誰かの記憶であり、
「あなたを思っています」
という静かな気配です。
このトマトジュースには、そういう気配がありました。
無添加。
100%。
ありのまま。
何かを足さなくても、十分に濃い。
何かを飾らなくても、十分に美しい。
人もまた、そうなのだと思います。
横になっている時間にも、尊さは変わらない
強い日だけが、その人ではありません。
元気な日だけが、その人ではありません。
誰かの役に立てる日だけが、その人の価値ではありません。
横になっている時間にも、
言葉にならない時間にも、
静かに息をしている時間にも、
その人の尊さは変わりません。
このブログを読んでくださっている方の中にも、今、からだと向き合っている方がいるかもしれません。
治すために整える時期もあります。
支えるために整える時期もあります。
そして、ただ今日を少しでも穏やかに過ごすために整える時期もあります。
どの時期にも、意味があります。
大切なのは、からだの声を聞くこと。
心の声を無視しないこと。
そして、自分がひとりではないと、どこかで覚えておくことです。
ありのままで、すでに尊い
いただいたトマトジュースを、私はゆっくり飲みました。
濃くて、やさしくて、どこかまっすぐな味でした。
瓶の中には、トマトだけが入っていました。
でも、私にはそこに、人の思いも入っているように感じました。
ありのままのおいしさ。
それは、トマトだけの話ではありません。
人も、今日という一日も、命もまた、ありのままで、すでに尊い。
そんなことを、一本のトマトジュースから教えてもらいました。
今日も、からだを整えていきましょう。
無理に強くならなくていい。
静かに、ゆっくりでいい。
今ある力を、大切に守りながら。
投稿者プロフィール

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からだ整えラボ
① 医学=呼吸器・アレルギー
② 生活=腸・温活・食・睡眠・肌
③ 幸福=働き方・環境・園芸
“病気を診るだけでなく、人をまるごと診たい”
——その思いを胸に、学びを続けています。
医学的根拠 × 生活習慣 × 心の豊かさ
三位一体の医療をめざしています。
資格:
<医学・医療>医学博士、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医、日本喘息学会認定喘息専門医、日本内科学会認定内科医、日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
<予防医学・代替医療・環境>
機能的骨盤底筋エクササイズpfilAtes™認定 インストラクター国際資格← NEW✨
カラダ取説®マスター・ジェネラル
環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士、漢方コーディネーター、内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー、日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士、腸内環境解析士、日本温活協会認定温活士、薬膳調整師、管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、日本フェムテックマイスター協会公認フェムテックマイスター®上級、公認妊活マイスター®Basic、日本スキンケア協会認定スキンケアアドバイザー、メンタル士心理カウンセラー、アーユルヴェーダアドバイザー、快眠セラピスト、安眠インストラクター
<文化・生活>
日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ、ローズソムリエ®(バラ資格)
<受賞歴>
第74回日本アレルギー学会学術大会「働き方改革推進奨励賞」受賞
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