クリニックだより

睡眠時無呼吸症候群(SAS)について

睡眠時無呼吸症候群(SAS)について: 知っておくべきこと

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸が一時的に止まる状態を繰り返す病態であり、未治療のまま放置すると、心臓病や脳卒中などの深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。

幸い、この状態は診断と治療が可能です。

当院では、SASの検査と治療を専門としており、患者様一人ひとりに合わせた適切な治療を提供しています。

睡眠時無呼吸症候群の重症度

SASの重症度は、無呼吸・低呼吸指数(AHI)によって分類されます。

AHIは、睡眠中の1時間あたりの無呼吸および低呼吸の回数を示す指標です。

  • 軽症: AHIが5~14回/時間
  • 中等症: AHIが15~29回/時間
  • 重症: AHIが30回/時間以上

治療法

SASの治療法は、その重症度によって異なりますが、目的はすべて同じです:患者様の呼吸を改善し、睡眠中の安全と健康を確保することです。

軽症の場合

生活習慣の改善や口腔内装置が有効です。運動の増加、減量、喫煙や飲酒の制限、睡眠中の姿勢改善などが推奨されます。

中等症の場合

生活習慣の改善と口腔内装置に加え、持続陽圧呼吸療法(CPAP)が用いられることがあります。CPAPは、鼻マスクを通して気道に一定の圧力をかけ、呼吸を補助します。

重症の場合

CPAP療法や手術が選択されることがあります。手術は、気道を狭める原因(例えば、咽頭や扁桃肥大)を取り除くために行われます。

治療の重要性

睡眠時無呼吸症候群の治療は、単に睡眠の質を改善するだけでなく、心筋梗塞や脳卒中のリスクを減少させることができます。

適切な治療を受けることで、患者様の全体的な健康と生活の質が向上します。

検査

当院では、SASの診断に2種類の検査を提供しています。

簡易検査では、睡眠中の血中酸素飽和度を測定します。

精密検査(終夜睡眠ポリグラフ検査)では、脳波や心電図、呼吸状態などを詳細に記録し、状態の全貌を把握します。

まとめ

睡眠時無呼吸症候群は深刻な健康問題を引き起こす可能性がありますが、正しく診断し治療することで、そのリスクを軽減し、生活の質を大幅に改善することができます。

当院では、患者様一人ひとりに合わせた最適な治療計画を提供し、睡眠の質の向上と健康な生活を支援しています。


投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。