甲状腺機能と咳の関係について
こんにちは、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックです。今回は、甲状腺機能と咳の関係についてお話しします。
「咳が長引いている…どうしてだろう?」
こんな風に思ったことはありませんか?咳の原因はさまざまですが、甲状腺の機能に問題がある場合にも、咳が出ることがあります。
特に、甲状腺ホルモンのバランスが乱れると、体にさまざまな影響を及ぼし、その一つとして咳が現れることがあります。
甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)
甲状腺が過剰にホルモンを分泌する状態で、体の代謝が異常に高くなります。
この状態では、次のような自覚症状が現れることがあります。
- 動悸(どうき)や息切れ: 心拍数が増加し、呼吸が浅くなりがちです。これにより、乾いた咳が出ることがあります。
- 体重減少: 食事量が変わらないのに体重が減ることがあります。
- 疲れやすさ: 少し動いただけで疲れてしまうことがあります。
- イライラや不安感: 神経過敏になりやすく、気分が不安定になることがあります。
- 手の震え: 手が細かく震えることがあります。
これらの症状があり、かつ咳が長引いている場合、甲状腺機能亢進症が関係しているかもしれません。
甲状腺機能低下症(橋本病など)
逆に、甲状腺ホルモンが不足する状態では、体の代謝が低下します。
この場合の自覚症状としては、以下のようなものがあります。
- 疲労感やだるさ: 十分な休息を取っても疲れが取れないことがあります。
- 体重増加: 特に食事量が変わらないのに体重が増えることがあります。
- 寒がり: いつも寒さを感じやすくなります。
- 皮膚の乾燥: 皮膚が乾燥しやすくなります。
- 声がかすれる: 喉に粘液が溜まりやすくなり、声がかすれたり、咳が出ることがあります。
甲状腺機能低下症でも、喉に違和感を覚えたり、慢性的な咳が続くことがあります。
咳が長引く場合は医師に相談を
甲状腺機能異常は、放置しておくと症状が悪化することがあります。
特に咳が長引いている場合や、上記のような自覚症状がある場合は、早めに医師に相談することをお勧めします。
当クリニックでは、甲状腺機能の検査や適切な治療を行っておりますので、お気軽にご相談ください。
健康で快適な生活を送るために、体の不調を見逃さないようにしましょう。
投稿者プロフィール
- 2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。
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