クリニックだより

2024年 秋のアレルギーについて

2024年 秋のアレルギーについて

こんにちは。やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です。

秋の訪れとともに、多くの方がアレルギー症状に悩まされる季節がやってきました。

秋は特に花粉や寒暖差、食物アレルギーなど、さまざまなアレルギーが発症しやすい時期です。

今回は、秋に注意が必要なアレルギーについて詳しくお話ししますので、ぜひ参考にしてください。

秋は花粉や寒暖差など、さまざまなアレルギーが発症しやすい季節です。

以下では、放送内容に基づいて、秋の代表的なアレルギーについて説明します。

1. 秋の食物アレルギー:花粉との関連

秋はブタクサやヨモギの花粉が飛散する季節で、これらにアレルギーがある方は注意が必要です。

特にヨモギ花粉症を持つ方は、「口腔アレルギー症候群」という状態になることがあります。

これは、ヨモギと構造が似たタンパク質を含むスパイスや食材(例:カレーに含まれるスパイス)がアレルギー反応を引き起こすことがあるというものです。

このため、秋に花粉症を持つ人は、特定の食材に対してアレルギー反応が出ることがあり、重篤な場合、呼吸困難などのアナフィラキシーを引き起こすこともあるため、十分な注意が必要です。

2. アニサキスアレルギー

アニサキスは魚介類に寄生する寄生虫で、アレルギー反応を引き起こすことがあります。

特に秋にはカツオなどアニサキスが寄生しやすい魚が旬を迎えるため、食事の際にはよく注意する必要があります。

刺身などを食べる際には、新鮮さや調理法(冷凍処理など)が重要です。

アニサキスアレルギーは腹痛や嘔吐を引き起こし、場合によっては緊急の医療対応が必要です。

3. ダニアレルギーと食物との関連

ダニやその死骸に対するアレルギーは、ハウスダストとともに非常に一般的です。

特にダニが小麦粉などの食品に混入すると、アレルギー反応を引き起こすことがあります。

ダニアレルギーがある方は、小麦粉を使った製品をしっかりと保存し、密閉容器に入れるなどの工夫をすると良いでしょう。

4. 寒暖差アレルギー

秋になると気温の変化が激しく、これにより寒暖差アレルギーと呼ばれる状態が生じることがあります。

これは、温度差により自律神経が過敏に反応し、鼻水やくしゃみ、肌荒れ、頭痛、じんましんといった症状を引き起こします。

寒暖差アレルギーは正式にはアレルギーではなく、自律神経の乱れが原因です。

そのため、温度差を少なくするための工夫(例えば、外出時に薄手のジャケットを持参する)や、規則正しい生活リズムを心掛けることが大切です。

5. ヘアカラーアレルギー

近年、ヘアカラーアレルギーが増加しており、特に若い女性の間で流行しています。

ヘアカラー剤に含まれる化学物質が皮膚に炎症を引き起こし、かゆみや発疹、顔全体の腫れなどの症状が現れることがあります。

症状は頭皮だけでなく、顔やまぶたにまで広がることもあり、重症化すると全身に影響が及ぶことがあります。

染毛経験がある人の約10人に1人がアレルギーを発症する可能性があると言われており、使用する際にはパッチテストを行い、敏感肌の方やアレルギー体質の方は特に注意する必要があります。

アレルギー対策の重要性

各アレルギーに対する予防策としては、以下のような点に気を付けると良いでしょう。

・花粉症の方は、外出時にマスクやメガネを着用し、帰宅後は衣服をすぐに着替える。

・食物アレルギーを持つ方は、食品表示をよく確認し、アレルゲンが含まれていないか注意する。

・アニサキスアレルギーの方
は、生魚を避けるか、冷凍処理された魚を選ぶ。

・ダニアレルギーの方は、こまめに掃除し、食品の保存方法に注意する。

・ヘアカラーをする際には、パッチテストを必ず行い、皮膚に異常がないか確認する。

最後に

秋はさまざまなアレルギーが発症しやすい季節ですが、正しい知識と対策を身につけることで、アレルギーによる不快な症状を予防・軽減することができます。

少しの工夫で快適に過ごせる秋にしましょう。

何か気になる症状がある場合は、どうぞお気軽に当クリニックまでご相談ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック
山口裕礼

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。