生活習慣改善を一緒に考えた結果
こんにちは、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です。
今日は、当クリニックで診察しているある患者さんのお話を紹介します。
この方は喘息で通院されていますが、診察の中で、いくつかの生活習慣病(高脂血症、脂肪肝、高尿酸血症)があることもわかりました。
しかし、これらの疾患については現在治療を行っておらず、喘息の治療を優先していました。
先日の診察で、この生活習慣病にどう向き合うか、一緒に考えることになりました。
患者さんの希望
薬で血液検査の値を正常範囲内にすることは可能かもしれませんが、患者さん自身が健康的な生活習慣を築くことで、根本的な改善を目指したいと考えました。
患者さんはこれまで何度もダイエットを試みましたが、うまくいかなかった経験があります。
また、運動が得意ではないため、特に無理のない方法が求められました。
そこで私が提案したのが、「玄米を食生活に取り入れること」でした。
玄米食の取り組みと効果
患者さんは真面目な方で、私が勧めた玄米食を早速取り入れてくれました。
毎日の主食を玄米に変え、数週間続けた結果、体調に変化が見られるようになりました。
大きな変化としては、正月に東北の祖父母宅を訪れた際、久しぶりに白米を食べたところ「少しくらくらする感覚」がありました。玄米に戻したら調子よいです。
この理由については、玄米食を続けることで血糖値の急激な変動に体が慣れ、白米を食べた際に血糖値が一時的に急上昇したためではないかと考えられます。
白米は精製されているため、消化吸収が早く、血糖値を急激に上げる特性があります。
それに対し、玄米は食物繊維が多く含まれているため、血糖値の上昇が緩やかです。
そのため、久しぶりの白米が患者さんの体に少し負担をかけたのかもしれません。
再び玄米に戻した後は体調が良くなり、この経験から玄米の効果を実感しているとおっしゃっていました。
体重については、まだ大きな変化はありませんが、患者さん自身が「これから減る感覚がある」と前向きに話されており、私たちも次回の採血でどのような結果が出るのか楽しみにしています。
白米と玄米の違い
白米と玄米の違いについても少し説明しましょう。
白米は、玄米からぬかや胚芽を取り除いたものです。
その結果、見た目が白くて美しく、柔らかく炊き上がり、消化も良いため、食べやすい特徴があります。
特に食物繊維やビタミンB群、ミネラルが大幅に減少します。
一方、玄米はぬかと胚芽が残っているため、これらの栄養素を豊富に含んでいます。
特に次のような効果が期待できます。
玄米の効果
- 食物繊維: 腸内環境を整え、便秘改善に役立ちます。また、血糖値の急激な上昇を防ぐ作用があります。
- ビタミンB群: エネルギー代謝を助ける重要な栄養素で、疲労回復にも寄与します。
- ミネラル: カルシウムやマグネシウムなどが含まれており、骨の健康や筋肉の機能をサポートします。
玄米生活を無理なく続けるために
玄米は白米と比べて炊き方に少し工夫が必要です。以下のポイントを参考にしてください。
また、体調や嗜好に合わせて、完全な玄米食ではなく、白米と玄米を混ぜる方法も選択肢の一つです。
最後に
今回の患者さんのように、生活習慣を見直すきっかけを作ることは、健康改善の第一歩です。
すぐに目に見える結果が出なくても、続けることが大切です。
患者さんが玄米食を取り入れ、前向きに取り組んでいる姿勢に感銘を受けました。
私たち医療者は、薬だけではなく、患者さんが健康的な生活を築けるよう、できる限りサポートしていきます。
皆さんも、自分に合った方法で少しずつ生活を変えてみませんか?お困りのことがあれば、いつでもご相談ください。
次回、この患者さんの採血結果が楽しみです。
よくある質問(Q&A)
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玄米を食べるとき、気をつけることはありますか?
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玄米は白米と比べて消化が悪い場合があります。胃腸が弱い方は少量から始めたり、よく噛んで食べるよう心がけてください。また、長時間浸水して柔らかく炊くと食べやすくなります。
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白米と玄米をどのくらいの割合で混ぜたらいいですか?
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初めて玄米を試す場合は、白米と玄米を2:1の割合で混ぜるのがおすすめです。慣れてきたら玄米の割合を徐々に増やしてみてください。
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玄米を食べることで具体的にどんな健康効果がありますか?
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玄米に含まれる食物繊維が腸内環境を整え、便秘改善や血糖値の安定に役立ちます。また、ビタミンB群やミネラルが疲労回復や骨の健康をサポートします。
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玄米はどのくらいの期間で効果が出ますか?
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効果には個人差がありますが、数週間から1か月程度で腸内環境や体調に変化を感じる方が多いです。継続することで、体重や血液検査の数値にも良い影響が期待できます。
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他の食品と組み合わせる際におすすめのメニューはありますか?
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玄米は野菜や豆類、魚との相性が良いです。玄米をベースにしたリゾットやサラダ、味噌汁と組み合わせた定食スタイルがおすすめです。
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玄米と農薬について心配がありますが、大丈夫でしょうか?
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玄米は白米よりもぬか部分が残っているため、農薬の影響を受けやすいと言われています。有機栽培や無農薬の玄米を選ぶと、農薬の心配を軽減できます。また、調理前にしっかり洗うことで農薬の残留を減らすことができます。
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