「朝食を変えて血圧管理をスムーズに:高血圧と喘息をお持ちの方へ」
みなさん、こんにちは。
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口 裕礼です。
先日、当クリニックを受診された方が、喘息をお持ちで、血圧が180 mmHgとかなり高い状態でした。
朝食が「菓子パンだけ」
血圧を下げる薬(降圧薬)を処方するとともに、朝の食事内容を変えていただくようアドバイスしました。
今回は、同じような状況にある方へ向けて、「高血圧の方が気をつけたいポイント」と「朝食の重要性」についてお伝えしようと思います。
高血圧と喘息の関係
喘息の方が気をつけたい薬の影響
気管支拡張薬など、一部の喘息治療薬には血圧や心拍数を上げる可能性のあるものがあります。
普段から血圧が高めの方、あるいは降圧薬を服用中の方は、主治医に薬の相互作用について必ず確認してください。
血圧が高いまま放置すると…
血圧 180 mmHg 程度の「重度の高血圧」を放置していると、脳卒中や心筋梗塞のリスクが高まる恐れがあります。
特に、喘息発作で呼吸器に負担がかかっている場合、全身の状態に影響が及びやすくなります。
早めに適切な診断と治療を受けることが大切です。
高血圧改善の第一歩:朝食を見直そう
血圧コントロールには生活習慣の改善が欠かせません。その中でも手軽に取り組めて、効果が期待できるのが**「朝食をきちんと食べる」**ということです。
1. 菓子パンだけの朝食は要注意
塩分と糖分が多い場合がある
高血糖や肥満にもつながりやすい傾向があります。
菓子パンには甘味や塩分が含まれているため、高血圧の方が毎日とり続けるのはおすすめできません。
栄養バランスが偏りがち
糖質は補えるものの、タンパク質や食物繊維などが不足しやすくなります。
不足しがちな栄養素をしっかり摂ることが、血圧だけでなく全身の健康維持に役立ちます。
2. おすすめの朝食例
- タンパク質源を取り入れる
卵、豆腐、納豆、ヨーグルト、魚などからタンパク質を摂りましょう。 - 野菜や果物をプラス
ミニトマトやサラダ、バナナ、リンゴなど、手軽に食べられるものを添えるだけでも栄養バランスが向上します。 - 主食の選び方
食パンやご飯など、できるだけ塩分や糖分が少ない主食を選ぶのがおすすめです。パンを選ぶ場合は、全粒粉パンやブランパンなども検討してみてください。
3. 朝食をしっかり摂るメリット
- 1日の血圧変動を安定させやすい
朝食を抜くと、昼や夜に食事量が偏り、高血圧リスクを上げる要因になる場合があります。 - 肥満予防やエネルギー代謝の向上
体内リズムを整え、代謝をスムーズにするためにも、朝食は重要な役割を果たします。
血圧管理の基本ポイント
- 定期的に血圧を測定する
自宅で血圧計を使用し、安静時に測定しましょう。1回だけではなく、複数回・日ごとの数値を記録すると、変動が分かりやすくなります。 - 塩分を控える
加工食品や菓子類、インスタント食品などは塩分が高いことが多いため、注意が必要です。 - 適度な運動
ウォーキングや軽いストレッチなど、続けやすい運動を習慣にしましょう。ただし、喘息の方は発作が出にくいタイミングや運動量を主治医に確認してから始めてください。 - 良質な睡眠とストレスケア
睡眠不足や過度なストレスは血圧上昇の原因となります。リラックスできる時間を確保し、深呼吸や趣味の時間を持つことも大切です。 - 医師の指示を守る
処方された降圧薬や喘息治療薬は、決められた通りに内服しましょう。自己判断で中止・変更すると、症状が悪化する可能性があります。
まとめ
今回ご紹介したように、喘息と高血圧を併せ持っている方は、治療薬の選び方も含めて注意が必要です。
そのうえで、血圧管理の基本となる「朝の食事習慣」を見直すことは、非常に効果的な対策になります。
- できる限りバランスのとれた朝食を摂る
- 降圧薬は医師の指示通りに内服する
- 定期的な受診や検査で、血圧と喘息の状態をチェックする
これらを心がけて、上手に血圧をコントロールし、安心して日常生活を送れるようにしましょう。
当クリニックのご案内
もし「朝食を改善しても血圧がなかなか下がらない」「喘息の症状もあってどう運動すればいいか分からない」といったお悩みがありましたら、遠慮なく当クリニックにご相談ください。
患者さん一人ひとりに合わせたアドバイスをさせていただきます。
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック
院長:山口 裕礼
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