【医師が解説】「人工甘味料」は本当に体に良いの?――腸内環境への影響から選び方まで徹底解説

こんにちは、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック 院長の山口裕礼です。

いつも当クリニックにご来院いただき、ありがとうございます。

「カロリーゼロ飲料や砂糖ゼロのお菓子なら体に良いですよね?」

といったご質問をいただくことが増えています。

これらに含まれる人工甘味料は確かにカロリーや糖質が抑えられる一方で、勘違いや思い込みによって過度に安心しすぎてしまう方もいらっしゃいます。

本記事では、人工甘味料の特徴やメリット・デメリット、注意すべきポイントなどを医師の視点からわかりやすくお伝えします。

合わせて、私の「自分の体は自分が食べるもので作られる」という想いも共有させていただきますので、ぜひ最後まで読んでいただければ嬉しいです。

1. 自分の体は「食べるものでできている」

まず大事なこととして、「私たちの体は、私たちが口にするものでできている」という点を、ぜひ意識していただきたいと思います。

私の体を作るもの

  • 忙しくてコンビニ食やインスタント食品が多くなりがち
  • 甘いものが欠かせない生活になっている
  • 「カロリーオフ」「糖質オフ」「○○不使用」という言葉だけで安心してしまう

このような場合、実は思っている以上に“人工甘味料”を多用しているケースも少なくありません。

甘味料そのものは便利な反面、自分の体質や使い方を間違えるとかえって健康を損ねる恐れもあるのです。

2. 人工甘味料とは?~主な種類と特徴

2-1. 合成甘味料

サッカリン、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムKなどが代表的。

  • 特徴: 砂糖よりもはるかに強い甘味を持ち、低カロリーまたはカロリーゼロの製品が多い
  • 使用例: 清涼飲料水、ゼロカロリー商品、お菓子全般

2-2. 糖アルコール

ソルビトール、キシリトール、マルチトールなどが有名。

  • 特徴: 天然にも含まれるが、加工して甘味料として使われる場合は合成成分に近い
  • 使用例: ガムやキャンディ、ダイエット食品など
  • 注意点: 摂りすぎるとお腹がゆるくなることがある

2-3. 天然由来甘味料

ステビア、ラカント(羅漢果由来)など。

  • 特徴: 「天然」というイメージで安心感を持たれがちだが、抽出や生成工程は工業的に行われる
  • 使用例: 健康食品や自然派志向の商品

3. 本当に「体に良い」の?~知っておきたいメリット・デメリット

3-1. メリット

良い点・・・

  1. カロリーや糖質が抑えられる
    ダイエットや糖尿病の方など、血糖値コントロールが必要な場合に活用しやすい。
  2. 甘みを得ながら糖質制限できる
    「甘い味」の嗜好を満たしつつ、砂糖のように血糖値を急激に上げない。

3-2. デメリット・注意点

気になる点・・・

  1. 腸内環境への影響が懸念される
    一部研究では、人工甘味料が腸内細菌のバランスを乱す可能性が示唆されています。
  2. 味覚の過敏化・依存
    砂糖よりも強い甘味を感じやすいため、もっと甘いものを求めてしまい、結果的に食欲増進につながるケースも。
  3. 個人差・体質による影響
    頭痛や胃腸の不調が起こる方もいます。「合う」「合わない」があるので注意が必要。
  4. “ゼロカロリーだから大丈夫”という過信
    結局、食べすぎ・飲みすぎの習慣が変わらないままだと、全体の栄養バランスが乱れ、肥満や生活習慣病に影響を及ぼすことがあります。

4. 「自分の体を大切にする」という考え方を持とう

“体に合う・合わない”を知るためには、まずは少しずつ試してみたり、摂取量をコントロールしてみることが大切です。

  • もし人工甘味料を常用するようになってから「お腹の調子がおかしい」「頭痛が増えた」といった症状に気づいたら、一度やめてみるのも手。
  • 症状が改善するなら、その甘味料が合わなかった可能性があります。

何よりも「自分の体の声」に耳を傾けることが重要です。

体調管理は医師や栄養士がアドバイスできますが、最終的に気を付けるのは自分自身

大切な体を守るには、何を食べているかを意識し、自分の体調と向き合う習慣をつけましょう。

5. 人工甘味料との上手な付き合い方

自分と家族を守るためにできること

  1. まずは甘さを控える方向で考える
    そもそも「甘い味」に慣れすぎると、自然な甘み(野菜や果物の甘み)では満足しにくくなります。甘いものを減らすだけでも、健康面にプラスになります。
  2. 商品ラベルをチェックする習慣を
    「カロリーオフ」「糖質ゼロ」「砂糖不使用」と書かれていても、人工甘味料が複数使われていることがあります。何が入っているのか確認するクセをつけましょう。
  3. 糖尿病や肥満対策には専門家の助言を
    血糖値をコントロールしたい方は、人工甘味料をどのくらい使えばよいのか、医師や管理栄養士に相談してみてください。合わない甘味料を無理に取り入れるよりも、別の方法でコントロールできる可能性があります。
  4. 生活習慣全体を見直す
    人工甘味料だけが問題なのではなく、「日々の食事のバランス」「運動習慣」「睡眠の質」など、トータルなライフスタイルで健康は左右されます。

6. 皆さんの健康を願って――少しでも良い方向へ

私たちは忙しい日常の中で、ついラクな選択肢に流されがちです。

しかし、私たちの体は、私たちが食べるものでできているということをもう一度思い出してみてください。

やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの願い

  • 自分の体は自分が守るしかありません。
  • 甘い味が恋しいときに人工甘味料を活用するのは一つの方法ですが、同時に摂取量をコントロールし、体の声を聞くことが大切です。
  • できるだけ自然な食材や調理法を取り入れ、甘味料に依存しない食生活を目指すことが、長い目で見たときの健康維持につながると私は考えています。

当クリニックとしては、少しでも皆さんの健康に役立てればと心から願っています。

自分の体を大切にして、一日でも長く元気に過ごせるよう、一緒に取り組んでいきましょう。

まとめ

やまぐちファミリーへ

  1. 人工甘味料は「砂糖ゼロ=体に良い」とは限りません。
    メリットもありますが、個人差や腸内環境への影響など懸念事項もあります。
  2. “食べすぎ”や“合わない甘味料”には要注意。
    合わないと感じる症状が出たら、いったんやめるのもひとつの方法です。
  3. 甘いものへの依存を減らす努力が大切。
    甘味料に頼りすぎず、甘みを控える方向で食生活を見直してみましょう。
  4. 自分の体を大事にしながら、上手に取り入れてください。
    何を食べるかは「自分の体づくり」に直結します。ぜひご自分の体をいたわりながら、賢い選択をなさってください。

お問い合わせ・ご相談はお気軽に

やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックでは、呼吸器の疾患や皮膚のトラブルだけでなく、生活習慣病や食生活全般に関するご相談も承っています。

人工甘味料に限らず、「これって体にいいの?」「食習慣が気になる…」など些細なことでも構いません。

お気軽に当クリニックまでお問い合わせください。

皆さんの健康を心より願っています。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。

やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック 山口裕礼
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本アレルギー学会認定アレルギー専門医
日本喘息学会認定喘息専門医
日本内科学会認定内科医
日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー
日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士
日本温活協会認定温活士

日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。