🍽️「人は食べる量の4分の1で生きている」って本当?

~医師として、そして社会の一員として伝えたいこと~
こんにちは😊
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です🌿
最近読んだ本に、こんな一節が紹介されていました👇
🏺「人は食べる量の4分の1で生きている。残りの4分の3は医者が食っている」
(6000年前のエジプト・ピラミッドの碑文より)
文脈からこの言葉を「名言」として紹介し、強く肯定しているようでした。
確かに、健康意識の文脈では印象的な言葉ですし、実際に食べすぎが万病のもとであるのも事実です。
でも──
👨⚕️ 私はこの言葉に、強い違和感を覚えました。
なぜなら、この一文はあまりに一方的で、まるで
「病気になるのはすべて本人のせい」
「医者はそれで儲けている」
と決めつけているように響くからです。
🧁「食べる量」は本当に“自己責任”だけですか?
たしかに現代では、「自己管理」が重視される時代です。
「健康は自分で守るもの」「食べ過ぎたら自業自得」
そんな声も聞こえてきます。
ですが、私たちは本当に「自分の意志だけで食べている」と言えるでしょうか?
- 🍫 お菓子のパッケージが可愛く、思わず買ってしまう
- 🍭お菓子は、つい手が伸びるように“依存設計”されている
- 🧃 ジュースのCMが何度も流れ、欲しくなる
- 📺 深夜までテレビやスマホを見て寝不足→甘いものが欲しくなる
- 📱 アルゴリズムが「食べたくなる動画」を延々と流すSNS
これはもう、誘惑のシャワー🚿と言っても過言ではありません。
💼 皆さんは、どんなお仕事をしていますか?
私たちの多くは、「人のためになる仕事」「誰かの幸せのためになる仕事」に携わっています😊
- お菓子メーカーの方は、「喜ばれる笑顔」を作っている
- 外食産業の方は、「忙しい人の味方」として食を支えている
- 健康食品業界も、「もっと健康に」を目指して日々努力している
でも、もし――
🍚 世の中から「食べすぎ」「間食」「外食」が消えたら?
- 多くの人の仕事が失われます
- 経済が停滞します
- 家庭内のストレスが増えるかもしれません
これはまさに、コロナ禍で一度経験した社会の停止状態と似ています。
それによって空気はキレイになったかもしれませんが、多くの人が職を失い、心が折れそうになりました。
🍱一見「食」とは無関係でも、最終的に“食べる量を増やす”ことにつながっている職業かも
🎬エンタメ業界(テレビ・映画・YouTubeなど)
- 食べながら見る習慣を生む
- 食べ物をテーマにした番組やドラマも多数
- 夜更かし視聴→深夜の間食へ
📱IT・スマホアプリ業界
- SNSで美味しそうなスイーツやグルメ写真が大量に流れてくる
- Uber Eats・出前アプリの普及で「思いつきで食べる」が容易に
🛋️家電メーカー(電子レンジ・ノンフライヤー・自動調理器など)
- 時短調理で“つくるハードル”が下がり、頻度が増える
- 夜食や間食も手軽に可能に
🏢不動産・都市開発業界
- 駅前にフードコートやコンビニが併設される街づくり
- 駅ナカの誘惑、オフィスビル内の社食や自販機
🛍️広告業界・マーケティング業界
- 「食べたくさせる」デザインやコピーを日々研究
- ハロウィン限定スイーツや“映えスイーツ”で購買意欲を刺激
🧠ゲーム・アニメ業界
- 座りっぱなし+集中=「何か口にしたくなる」環境
- 限定コラボフードでリアル店舗へ誘導される
👩💼人材・教育業界
- ストレスやプレッシャーの多い仕事・受験競争は「報酬食行動」を引き起こす
- 頑張る自分への“ごほうびスイーツ”文化
📌 結局、私たちの社会は「食べること」を中心に回っている⁉️
見渡せば、ほぼすべての業界が「食べる量を増やすこと」と無関係ではない構造になっています。
それは決して悪いことではなく、「生きる喜び」や「経済活動」に欠かせない面でもあります✨
でも――
その連鎖に気づかないまま巻き込まれていると、健康を崩すリスクも。
🧪 「医者は薬を出すが、治さない」って本当?
私はこの言葉が大嫌いです。
なぜなら、それはあまりに一面的すぎるからです。
💉 西洋医学は「命を救う」ための科学です。
感染症や外傷、手術、救急…
急性期の病気において、医療はこれまでにないほどの成果をあげてきました。
しかし──
- 喘息・COPD・糖尿病・高血圧などの【慢性疾患】
- アレルギーや自己免疫疾患(リウマチなど)
- うつ病・不眠・自律神経失調などの【精神的な不調】
これらは社会の事情で「完治」することが難しく、コントロールしながら生きる病気です。
だからこそ私たち医師は、「抑える」「寄り添う」「支える」ことに全力を尽くしています。
🤖 社会に“適応する力”が、いま必要
便利すぎる社会、誘惑にあふれる社会。
その中で「何を選び、どう暮らすか」が、健康と人生の鍵になります🗝️
- すべてを我慢することが正義ではない
- 社会を否定するのではなく、上手に付き合う
- 矛盾の中でも、自分の指針を持つ
私は、「社会に適応する力」こそが、これからの医療で最も必要なテーマだと考えています。
🏙️田舎で暮らす医師、都会で踏ん張る医師
最近は「田舎へ移住して、健康的な暮らしを」という生き方も注目されています🍃
自然に囲まれ、地元の野菜を食べ、自給自足に近い生活。とても素晴らしいと思います👏
でも私は、都会で毎日戦っている人たちの味方でいたいのです。
- 朝早く起きて、電車に揺られ、帰宅は夜遅く
- 子育てと仕事を両立しながらも、自分の時間がない
- ストレスでつい甘いものに手が伸びる…
そんな方にとって、「現実に寄り添った医療」を届けたい。
少なくとも、私と関わってくださった方々は、ひとときでも幸せになってほしい。
その思いを胸に、私は今日も診療を続けています🩺✨
🌱あなたの選択が、社会を変えていく
健康も、経済も、産業も、すべてはつながっています。
✔️ 自分の健康に向き合うことは、周りへの思いやりでもあります
✔️ 食べすぎない努力は、医療費を減らし、社会の負担を軽くします
✔️ 「より良い未来」を選び取る力が、私たち一人ひとりにあります

どうか一人でも多くの方に届きますように…🙏✨
#医者が嫌いな言葉 #健康は自己責任か #社会と医療の矛盾
#現実と向き合う医療 #都会で頑張る人を応援したい
#やまぐち呼吸器内科皮膚科クリニック #山口裕礼ブログ
投稿者プロフィール

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資格:
<医学・医療>医学博士、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医、日本喘息学会認定喘息専門医、日本内科学会認定内科医、日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
<予防医学・代替医療・環境>
環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士、漢方コーディネーター、内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー、日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士、腸内環境解析士、日本温活協会認定温活士、薬膳調整師、管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、日本フェムテックマイスター協会公認フェムテックマイスター®上級、日本スキンケア協会認定スキンケアアドバイザー
<文化・生活>
日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ、ローズソムリエ®(バラ資格)
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