喘息に共感を求める人へ。呼吸器・アレルギー専門医

60歳代の女性(仮) 通院中のぜんそく患者さん


当院で吸入器の使い方をどのようの教えているかご説明します。

患者さんによって様々なパターンがありますが、その中の一つです。

どのような感じかイメージを持っていただければと思います。

● ぜんそくで定期的に通院しています

● レルベアを使っていますが、声がかれます

吸入器の副作用の一つである

● 声がれ

です。

多くの場合はうがいの仕方を工夫すると良くなります。

うがいの仕方はこちらを参照ください。

しかし、うがいをしても良くならない場合もあります。

今回の患者さんは、うがいをしても良くならないので

● 吸入器の種類を変えてみました

では、当院のスタッフより座って使用方法を教えてもらいましょう。

吸入器の種類について

● レルベアからフルティフォームへ変更

しました。

● レルベアは粉の薬ですが、フルティフォームは霧状の薬

なので口の中の副作用が比較的少ないです。

しかし、

● 1回に吸入する回数と、1日の回数が増えます

● 吸入のやり方が今までと異なります

粉を霧にしているので同じパワーを発揮するには、回数でおぎないます。

患者さんの気持ちに寄りそうと

・せっかく慣れた薬から変更する不安感があり、表情は険しいようです

・うがいをしていたのにもかからず、声がかれたことによる薬に対する不安感があります

・吸入回数が増えることに対して負担があります

・しかし のど が良くなるのであればとの期待もあります

患者さんの思いに対してしたこと

・霧状の薬にすることにより声がれが改善する期待を説明しました

・霧状の薬であり のど への影響も少なくなるだろうと不安感を取り除きました

・患者さんの思いを傾聴することにより、少しでも不安感を取り除きました

その結果

・今後はいろいろやりたい気持ちがあり、少し頑張ってみようとの思いが出ました

・患者さんの思いのペースに合わせることにより、前向きの気持ちへの動機づけができました

吸入方法の説明について

・フルティフォームの練習機をお互い手に取って使ってみました

・粉の薬と異なり、霧状の薬は吸うタイミングが難しいです

・最初はなかなかタイミングが合いませんでしたが、練習するうちに上手に吸えるようになりました

● 医師に問題ないことを報告して、また次回確認をします

~次に患者さんが来院した時は笑顔で声がれもありませんでした~

以上が、当院で行っている患者さんへの吸入の説明方法です。

世間一般的には

● 使用方法の説明のみ

になりがちです。

当院においては

● 患者さん個人にあわせて、気持ちに寄り添いご説明します


投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。