「感謝」と「不満」の違いが心と体に与える影響について
私たちは日々の生活の中でさまざまな感情を抱きますが、その感情が健康や心の安定にどのように影響するか考えたことはありますか?
私は多くの患者さんを診療し、時には看取る経験をしてきました。
その中で感じたことがあります。
日常で感謝の気持ちを持ち、他者との交流を大切にしている人は、穏やかで満ち足りた気持ちで最期を迎えることが多い一方で、常に不満を抱えている方は、最後の瞬間にも不安や不満が強く残ることが少なくありません。
この違いは、科学的にも説明がつく部分があります。
今回は、その「感謝」と「不満」が心と体にどのように影響を与えるのかを、少し掘り下げてみましょう。
感謝の力とは?
「ありがとう」という感謝の気持ちを持つことは、単なる礼儀だけでなく、健康や幸福感に大きく影響します。
感謝の感情を抱くことで、以下のような効果が期待できます。
- ストレスの軽減
感謝することで、体内のストレスホルモンであるコルチゾールが減少し、穏やかな心を保つことができます。 - 幸福ホルモンの分泌
感謝の気持ちはセロトニンやオキシトシンといった「幸福ホルモン」の分泌を促進します。これらのホルモンは、気持ちを前向きにし、身体的な健康にも良い影響を与えます。 - 人間関係の向上
感謝を表現することで、周囲との絆が深まり、孤立感や不安感が減少します。支え合う環境は、心の安定にもつながります。
感謝と最期の瞬間
感謝の気持ちを日常的に持つ人は、最期の時にも穏やかな心で臨むことが多いという報告があります。
心理学的には、感謝はネガティブな感情を抑え、過去を振り返った時にも満足感を感じやすくなるためです。
人生を感謝とともに振り返ることができると、最期も悔いのない形で迎えられるのです。
不満がもたらす影響
一方、日常的に不満を抱えている方は、ネガティブな感情が蓄積され、精神的にも身体的にも悪影響が及ぶことがあります。
慢性的なストレスは免疫力を低下させ、病気に対する抵抗力を弱めることも知られています。
また、不満を抱き続けることで、人間関係にも悪影響を及ぼし、孤立感や心の不安が増幅されることがあります。
まとめ
感謝の気持ちを持つことで、日々の生活や健康に大きなプラスの影響があることがわかっています。
もちろん、不満や辛いことがあるのは誰にでもあることですが、その中でも「ありがとう」と感謝を見つけ出すことは、心の健康を保ち、穏やかな最期を迎えるために大切なことかもしれません。
私たちのクリニックでは、患者さん一人ひとりが少しでも幸せな毎日を送れるようサポートしています。
ぜひ、日常の中で感謝の気持ちを見つけることを意識してみてください。