クリニックだより

更年期障害と心身の健康について

更年期障害と心身の健康について ~穏やかな日々のために~

こんにちは。やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口です。

更年期は誰にでも訪れる人生の一時期ですが、その時期の体調や心の変化に戸惑う方も少なくありません。

今回は、更年期障害について、西洋医学の視点と、心身の調和を意識したケアの考え方、さらに呼吸器疾患や皮膚疾患との関連についてお話しします。

更年期障害とは?

更年期とは、主に閉経前後の数年間(40~50代頃)を指します。

この時期に卵巣機能が低下し、ホルモンバランスが急激に変化することで、身体的・精神的な不調が現れることがあります。

これらの症状が日常生活に影響を及ぼす場合、「更年期障害」と呼ばれます。

更年期障害の症状は個人差が大きく、身体だけでなく精神面にも影響を及ぼすため、適切な対処が重要です。

更年期障害の主な症状

身体の症状
  • ほてりやのぼせ(ホットフラッシュ)
  • 発汗や冷え
  • 動悸や息切れ
  • 関節痛や筋肉のこわばり
  • 疲れやすさや倦怠感
心の症状
  • イライラや気分の落ち込み
  • 不眠や睡眠の質の低下
  • 集中力の低下や記憶力の低下
  • 漠然とした不安感

更年期と呼吸器疾患

ホルモンバランスの変化は、呼吸器にも影響を及ぼすことがあります。

  • 喘息やアレルギー疾患の悪化
    更年期には免疫バランスが変化し、喘息やアレルギー性鼻炎などの症状が悪化することがあります。また、ストレスや睡眠の質の低下が呼吸器の症状を悪化させる要因となる場合もあります。
  • 呼吸の浅さ
    自律神経の乱れが原因で呼吸が浅くなりやすく、疲労感や息苦しさを感じることがあります。深い呼吸を意識することで、これらの症状を和らげることができます。

更年期と皮膚疾患

ホルモンバランスの乱れは皮膚にも影響を与え、次のような症状を引き起こすことがあります。

  • 乾燥肌
    女性ホルモン(エストロゲン)の減少により皮脂分泌が減り、肌が乾燥しやすくなります。
  • かゆみや湿疹
    肌のバリア機能が低下するため、かゆみや湿疹が現れやすくなります。アトピー性皮膚炎の症状が悪化するケースもあります。
  • シミやくすみ
    ホルモンの変化が原因でターンオーバーが遅れ、シミやくすみが目立ちやすくなります。

更年期障害へのケアと対策

1. 自律神経を整える

西洋医学の視点
更年期のホルモン変化は、自律神経にも影響を及ぼします。深い呼吸やリラクゼーションを日常に取り入れることで、自律神経のバランスを整えることができます。

東洋的な視点
東洋医学では、「気・血・水」の調和が大切とされます。気功やヨガ、軽いストレッチを取り入れることで、心身のバランスを保つことが期待できます。

2. 肌のケアを強化する

更年期には肌の乾燥を防ぐために、保湿を重視したスキンケアが重要です。皮膚の症状が気になる場合は、皮膚科で適切な治療を受けることも検討してください。

3. 呼吸器の健康を意識する

深い呼吸を促すために姿勢を正し、適度な運動を心がけましょう。

また、喘息やアレルギー症状が悪化している場合は、早めに医師に相談することが大切です。

当院での対応について

やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックでは、更年期障害自体を専門的に診療することは行っておりません。

しかし、診察の中で更年期が疑われる場合には、症状に応じた漢方薬などを処方し、少しでも快適な日々を過ごしていただけるようお手伝いすることがあります。

必要に応じて、専門医療機関へのご紹介も行っております。

健康を守るために自分を大切にする

更年期は体調の変化だけでなく、心の変化にも気づく時期です。

適切なケアや生活習慣の工夫を取り入れることで、穏やかに過ごすことができます。

当院では、更年期の影響が疑われる症状に関する相談も受け付けていますので、気になることがあればお気軽にご相談ください。

やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック 山口裕礼

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。