秋の味覚「柿」で痰絡みが改善?患者さんの体験談
こんにちは。やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です。
今日は、当クリニックに通院されている患者さんの体験談をご紹介します。
患者さんの体験をもとに、柿がどのように体に良い影響を与えたのか、その理由についても解説していきます。
患者さんの体験談
「もともと慢性気管支炎で通院しており、風邪を引いた後に喉の奥に痰が絡みやすくなり、咳もひどくなるため困っていました。
クリニックでは吸入などを処方していただきましたが、なかなか症状が完全には治まりませんでした。
昨年の秋、実家から送られてきた柿を毎日1個ずつ食べてみたんです。
すると、だんだん痰の量が減り、咳も軽くなってきたのを実感しました。
柿を食べ始めてから2~3週間ほどで喉がスッキリしてきて、今では痰が絡むことがほとんどなくなりました。
現在は柿を凍らせて少しずつ食べることで、継続して健康を維持しているとのことです。
365日柿を食べ続けるのは難しいため、季節ごとの旬の野菜や果物を取り入れるようにアドバイスしました。
患者さんも薬をすべてやめたわけではなく、当クリニックでのアドバイスをもとに、薬の量を徐々に減らしていきました。
この患者さんは、特別な治療を行ったわけではなく、日常の食生活に柿を取り入れただけで症状が改善したと話していました。
柿が痰絡みに良い理由
患者さんのように柿を食べることで痰絡みが改善した理由として、以下の点が挙げられます。
1. ビタミンCの豊富さ
柿には、免疫をサポートするビタミンCが豊富に含まれています。
このビタミンは、気道の炎症を抑え、感染症を予防する効果が期待できます。
気道が健康になることで、過剰な痰の分泌が抑えられた可能性があります。
2. タンニンの収れん作用
柿に含まれるタンニンという成分には収れん作用があり、喉や気道の炎症を和らげる働きがあります。
この作用が痰の絡みやすさを軽減する一因になったと考えられます。
3. 水分補給効果
柿は水分が豊富で、体内の水分バランスを整えるのに役立ちます。
水分不足による痰の粘りを和らげ、痰が絡みにくくなる効果が期待できます。
4. 抗酸化作用
柿に含まれるβカロテンやポリフェノールなどの抗酸化物質は、酸化ストレスを軽減し、気道の健康を保つのに役立ちます。
これが喉や気道の炎症を軽減する助けになった可能性があります。
5. 腸内環境の改善
柿に含まれる食物繊維が腸内環境を整えることで、全身の免疫バランスが改善された可能性も考えられます。
腸と気道は「腸・肺軸」でつながっており、腸内環境が整うことで気道の健康にも良い影響を与えることがあります。
柿を取り入れる際の注意点
柿には体に良い栄養素がたくさん含まれていますが、食べ過ぎると体を冷やしてしまう可能性があります。
季節ごとの旬の食材を取り入れる理由
柿のように季節の旬の食材は、その時期の体に必要な栄養素を豊富に含んでいます。
特に秋冬には免疫を強化するビタミンや抗酸化物質が豊富な食材が多く、健康管理に役立ちます。
また、旬の食材は価格も手頃で、栄養価が最も高い状態で摂取できるのがメリットです。
薬と生活改善のバランス
この患者さんのように、症状が改善してきた場合でも、薬をいきなりやめるのではなく、医師の指導のもとで徐々に減らしていくことが大切です。
当クリニックでは、患者さんの状態に合わせて薬の量を調整し、生活改善と併せて治療を進めています。
患者さん自身の努力と医療のサポートがあってこそ、良い結果が得られるのです。
秋の味覚で健康をサポート
今回の患者さんの体験談からわかるように、身近な食材を上手に取り入れることで、日常の健康管理が可能になります。
柿は秋の味覚として楽しむだけでなく、痰や咳に悩む方にとっても一つのサポートになるかもしれません。
当クリニックでは、患者さん一人ひとりの症状や体質に合わせたアドバイスを行っています。
気になる症状がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック 山口裕礼
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