薬の増減と患者さん自身の取り組み

こんにちは。やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です。


前回までのブログでは、喘息治療を中心に、吸入ステロイドや全身ステロイド、生物学的製剤などが登場するステップについてお話ししました。

今回は、患者さんの状態に応じて薬が増えたり減ったりすることがある、という点について深掘りしていきたいと思います。

薬は固定ではなく変化するもの

良くなれば薬は減らせる

喘息の治療では、症状が落ち着いてコントロールが良好になれば、段階的に薬を減らしていくことができます。

これは他の病気でも同じで、血圧や血糖値などが安定すれば、その分薬の量を減らしていくことがあるのです。

状態が悪化すれば薬は増える

逆に、症状が悪化したり、急な発作や合併症が出た場合は、全身ステロイドや追加の薬が必要になることもあります。

これは一時的に状態を改善し、命や臓器を守るために必要な措置です。

薬を減らすために大切なこと

1. 日常生活の見直し

医療機関には頼れない、自分たちで出来ること

  • 食事のバランス
    甘いものや精製食品を控え、野菜や果物、発酵食品などで腸内環境を整えましょう。
  • 適度な運動
    無理のない範囲で体を動かすことは、血流促進やストレス軽減に効果的です。
  • ストレス管理
    ストレスは免疫力の低下や症状の悪化につながることがあります。趣味やリラックス方法を見つけ、心身の健康を保ちましょう。

2. 自身が主体となる意識

医療機関は患者さんの健康をサポートする存在ですが、日々の生活の中心にいるのはご自身です。

薬を減らしたい、症状を改善したいという思いがあるなら、自分でできることをコツコツと続けることが大切です。

3. 定期的な受診とコミュニケーション

状態が良くなったと感じても、自己判断で薬を急に中止するのは危険です。

主治医とよく相談し、経過を観察しながら薬の量を調整しましょう。

些細な変化でも、気になることがあればぜひ受診時にお伝えください。

Q&A

薬を減らしたい気持ちがあるのですが、やめてもいいでしょうか?

症状が落ち着いたからといって、自己判断でやめるのは危険です。特にステロイド薬は、必ず主治医と相談し、減量計画を一緒に立てましょう。

日常生活で特に注意すべきポイントは何でしょうか?

バランスのよい食事、適度な運動、十分な休養を基本とし、甘いものや精製食品を避けるなど腸内環境を整える工夫が大切です。ストレス管理も忘れずに行いましょう。

薬が増えてしまうのではないかと心配です。どうすればよいですか?

症状が一時的に悪化すれば薬が増えることはありますが、正しく治療を続け、生活習慣を見直すことで状態が改善すれば、再び薬を減らせる可能性があります。不安な点はその都度、医療スタッフに相談しましょう。

薬は固定されたものではなく、患者さんの体調に合わせて柔軟に変化していくものです。

ポイント

症状が良くなれば自然と薬は減っていきますが、そのためには日常からの努力が欠かせません。

生活習慣を整えながら、医療機関と上手に連携し、自分自身が主体となって健康管理を行うことが大切です。

何かご不安な点がありましたら、お気軽にやまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックまでご相談ください。

やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック
院長 山口 裕礼

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。