初診時から「テリルジー」って大丈夫?~
初めて処方された方へ知ってほしいこと

はじめに
「咳がつづく」「息がしにくい」などの症状で病院を受診し、
『テリルジー(Trelegy)』という吸入薬を処方された…という方へ。
「このお薬って、強いの?」
「本当に自分に合ってるのかな?」
そんな不安や疑問を持たれている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

実はこのテリルジーという薬、
“とても便利だけど、最初から使うのは注意が必要な薬”でもあるんです
テリルジーってどんな薬?
テリルジーは、吸入薬の中でも「3つの薬」が1つにまとまったタイプです
炎症を抑える薬(ステロイド)
気管支を広げて呼吸をラクにする薬(長時間作用型)
さらに長く気道を広げる薬(抗コリン薬)
つまり、3つの作用が1本で使える便利なお薬なんです
…でも、それって必要な人にとってのみの話です
テリルジーが最初から使われるときの注意点
① 強すぎるかもしれない
本来は、症状に応じて
→ 軽い薬から始めて → もし治らなければ少しずつ強くする、
という“ステップ治療”が基本です
最初からテリルジーを使うと…
「自分に必要以上の薬」を使ってしまうことも
その結果、副作用のリスクも高まってしまいます
② 吸い方がむずかしい
吸入薬は「正しい吸い方」がとっても大切
でも、初めて吸入する方や高齢の方にとっては…
意外と吸い方を間違えることが多いんです
吸えていないと薬の効果が出ません
吸えていると思っていても、実は使えてないことも…
③ お金と副作用の問題
テリルジーは3剤入りなので、値段も高め。
長く使うとお財布への負担も大きくなりがちです
また、副作用として…
口の中のカビ(カンジダ)
声のかすれ
心臓のドキドキ感
前立腺のトラブルや目の病気(緑内障)
…など、いくつかの注意点があります
じゃあ、どうすればいいの?
もしあなたが初めてテリルジーを処方されたなら…
こんなことを聞いてみましょう
「もう少し軽い薬から始められますか?」
「レルベアやフルティフォームのような2剤の薬はどうですか?」
「吸入の練習をしてからでも大丈夫ですか?」
医師に質問することは、自分の体を守ることにもつながります
まとめ
テリルジーは便利で効果も強い吸入薬ですが、
最初から使うには慎重な判断が必要です。
本来は、軽い薬からスタートして、必要に応じて強くしていくのが正しいやり方
もし不安な点があれば、遠慮せずに医師に相談してください。
あなたの体は、あなた自身が守るものです
おまけ:レルベアという選択肢も
「レルベア100」は、2つの薬が入った吸入薬で、
多くの患者さんにとって十分な効果が期待できる治療法です
まずはレルベアで様子を見て、それでも改善しない場合に
テリルジーにステップアップする…
そんな流れのほうが、実は安心で安全なんです
最後に
あなたの症状や生活に合った薬を選ぶことが、
一番の近道です
薬にふりまわされるのではなく、
自分に合った治療を受けていきましょう
投稿者プロフィール

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資格:
<医学・医療>医学博士、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医、日本喘息学会認定喘息専門医、日本内科学会認定内科医、日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
<予防医学・代替医療・環境>
環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士、漢方コーディネーター、内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー、日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士、腸内環境解析士、日本温活協会認定温活士、薬膳調整師、管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、日本フェムテックマイスター協会公認フェムテックマイスター®上級、公認妊活マイスター®Basic、日本スキンケア協会認定スキンケアアドバイザー、メンタル士心理カウンセラー
<文化・生活>
日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ、ローズソムリエ®(バラ資格)
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