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週末から肌の調子が悪い理由:黄砂について

皮膚科

黄砂と皮膚の健康:予防と対策

黄砂が引き起こす皮膚症状とその管理方法

この週末に黄砂の飛散があり、皮膚に様々な影響を及ぼす可能性が高まっています。

黄砂は、中国やモンゴルの乾燥地帯から風に乗って運ばれる微小な粒子で、土壌、砂、岩石、金属、硝酸塩、硫酸塩など多種多様な物質を含んでいます。

これらの粒子が皮膚や粘膜に触れることで、刺激、かゆみ、炎症、感染などの健康問題を引き起こすことがあります。

皮膚のかゆみ

黄砂に含まれるPM2.5などの微小粒子は、皮膚に直接接触することで刺激を与え、かゆみを引き起こすことがあります。

これらの粒子は、皮膚の表面だけでなく、毛穴に入り込むことで内部からも刺激を与えるため、かゆみが生じやすくなります。

湿疹

黄砂に含まれるカビ、ダニ、金属などの物質が皮膚に触れることで、皮膚の炎症反応を引き起こし、湿疹を発症または悪化させることがあります。

これらの物質は皮膚の敏感性を高め、赤みや腫れ、水ぶくれなどの症状を引き起こす可能性があります。

肌荒れ

黄砂に含まれる微小粒子は、皮膚のバリア機能を低下させることがあります。

これにより、皮膚は外部からの刺激に対して脆弱になり、肌荒れを引き起こしやすくなります。

乾燥や赤み、ひび割れなどの症状が現れることがあります。

アトピー性皮膚炎の悪化

アトピー性皮膚炎の患者さんは、黄砂の影響を受けやすい傾向にあります。

黄砂は、症状を悪化させる可能性があり、特に皮膚の炎症やかゆみ、赤みを増すことがあります。

予防策と対策

黄砂による皮膚症状を最小限に抑えるためには、以下の予防策が有効です。

  • 外出時の対策: マスク、帽子、サングラスを着用して顔や頭部を保護してください。肌を露出しないように袖が長い服を選び、肌の保護を心がけてください。
  • 清潔に保つ: 帰宅後は、石鹸と水で顔や手を洗い、黄砂を洗い流してください。
  • 保湿: 皮膚のバリア機能を高めるために、低刺激性の保湿剤を使用してください。

万が一、黄砂による皮膚症状が悪化したり、数日経っても改善が見られない場合は、早めに皮膚科の専門医に相談してください。

正しいケアと管理で、黄砂の影響を最小限に抑えることができます。


投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。