喘息(ぜんそく)に使用する薬で、東と西の大関
現在は二つのメーカーから同じような薬が発売されています。
多くの場合、薬を選択するのは医師ですが患者さんも薬の特徴を知っておく必要があります。
当院は両方の薬を各々1000人以上使用経験があります。
それによって分かった事をお伝えします。
※ 大関レベルでは、その他にシムビコート(後発はブデホル)、フルティフォーム、アドエアがあります。
アテキュラとレルベアの最大の特徴
一つの吸入器の中に2つの薬が入っていること
2つの薬の内容
● 吸入ステロイド(空気の通り道の荒れを整える)
● 長時間作用型β2刺激薬(空気の通り道を広げ、咳を止める)
共通する内容
・中に入っている2つの薬が同様な内容
・薬の強さがほぼ同等
アテキュラ高=レルベア200
アテキュラ中=レルベア100
アテキュラ低=レルベアは該当なし
※ レルベア100から薬を減量するのにレルベア50がありません。
・一日1回の吸入で24時間効果あり
・パウダー状の吸入薬を吸い込む
・値段も同じくらい
異なる内容
メーカー
・アテキュラ:ノバルティスファーマ(スイス)、ぜんそく吸入薬では新しい
・レルベア:グラクソスミスクライン(イギリス)、ぜんそく吸入薬では歴史があるため多く使用されている
吸い方
・アテキュラ:ゆっくり優しく吸えるため、一度練習すれば多くの患者さんで吸入できる
・レルベア:強く深く吸うため、高齢者やトレーナーで練習されていない場合は注意が必要
吸入できたか否かの確認方法
・アテキュラ:耳で聞いて(カラカラ音が鳴る)、目で見て分かる(カプセルの粉が無くなる)ため、ほぼ確実に吸入できる
・レルベア:分かりずらい、トレーナーという練習器で練習が必要
吸うための口の当てやすさ(フィット感)
・アテキュラ:タピオカのストローと同じ感じでフィットしやすい
・レルベア:やや口を当てづらい(空気漏れの原因となる)
吸入するまでの操作
・アテキュラ:カプセルをセットして穴をあける作業が必要、一度覚えれば間違いが無く、面倒でもなく評判も良い
・レルベア:蓋を開ける操作のみで容易。
吸入方法の薬局での再確認
・アテキュラ:一度覚えれば、ほぼ再確認は必要ないが不都合があれば必要
・レルベア:一度覚えても時間がたつと吸入が弱くなる可能性があるため、定期的な再確認が必要(個人差あり)
吸い方のテクニック
・アテキュラ:ゆっくり優しく吸う
強く吸うと、のどに張り付いてムセる感じがします。
熱湯のお茶をすするように、ゆっくりと吸い始めます
カプセルがカラカラなったら、そのままの勢いで吸います
声がれ、のどの痛み、口腔内カンジダは少ない印象
・レルベア:強く深く吸う
弱く吸ってしまうと口の中だけに薬が入り気管に薬が行きません。
時に声がれ、のどの痛み、口腔内カンジダを感じる場合は、食前に吸入する
患者さんの本音
アテキュラ
薬をセットするのは別に何も面倒ではない
薬を一回一回セットするのは当初面倒と思ったけど、慣れれば簡単でした。
薬の効果が実感できます
薬をきちんと吸えているという安心感があります
なかなかカラカラ音が鳴らない事がありますが、なんどかやって慣れました
レルベア
朝忙しい中、吸入するのが簡単で良いです
薬の効果は実感できます
声がれがしますが、食前に吸入したら大丈夫でした
蓋を開けるのにやや力がいります
患者さんの立場からできること
患者さんによって薬の合う、合わないは個人差が多くあります。
患者さんから担当の先生に薬の変更を申し出ることは可能です。
困った場合は相談をしてみてください。
今、アテキュラを使用していて「咳や痰、息切れ」のいずれかで困っていればレルベアに変更する
今、レルベアを使用していて「咳や痰、息切れ」、「のどの症状」のいずれかで困っていたらアテキュラに変更する
子どもたちに夢のかけはしを!
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投稿者プロフィール
- 2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。
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