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逆流性食道炎と慢性的な咳の関係

内科

逆流性食道炎とは?

逆流性食道炎は、胃酸や胃の内容物が食道に逆流する病気です。

これにより、胸焼け、呑酸(どんさん)、喉の痛みなどの症状が引き起こされます。

しかし、これらの症状だけでなく、意外と知られていない症状の一つに、長引く咳があります。

逆流性食道炎と咳の関係

咳の発生原因

胃酸が食道を逆流し、気管支や喉を刺激することで咳が引き起こされます。

特に、食道と気管支が近接しているため、逆流した胃液が気管支に侵入し、炎症を引き起こすことがあります。

悪循環のリスク

咳はさらに食道への逆流を悪化させる悪循環を引き起こす可能性があります。

これは、咳の繰り返しが胃内容物の食道への逆流を促進するためです。

逆流性食道炎による咳の特徴

  • 風邪や気管支炎など他の原因による咳と異なり、慢性的な咳が続く。
  • 夜間や食後に咳が悪化する傾向がある。
  • 寝起きに特に咳き込むことが多い。
  • 痰が少ないか、全くない。
  • 胸焼けや呑酸といった他の逆流性食道炎の症状を伴うこともある。

逆流性食道炎による咳の治療

生活習慣の改善

体重の管理、禁煙、食生活の改善(夕食の量を減らす、就寝前の食事を避けるなど)が基本です。

薬物療法

制酸剤やプロトンポンプ阻害剤などの薬物により、胃酸の分泌を抑え、症状の改善を目指します。

医療機関を受診する重要性

咳が長引く場合は、逆流性食道炎以外の可能性も考えられます。

気管支炎、肺炎、肺がん、喘息など、様々な疾患が原因で咳が起こることがあります。

そのため、症状が改善しない場合は、迅速に医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。

結論

逆流性食道炎は咳を含む多岐にわたる症状を引き起こす可能性があります。

咳が長期にわたって続く場合は、逆流性食道炎が原因の一つである可能性を考慮し、専門医の診断を受けることが重要です。

生活習慣の改善、適切な薬物療法を通じて、症状の改善を目指しましょう。