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慢性気管支炎と慢性副鼻腔炎のためのマクロライド抗生物質:少量長期投与法の解説

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安全性と効果を理解する

慢性気管支炎や慢性副鼻腔炎でマクロライド系抗生物質を少量継続する方法は、「マクロライド少量長期投与療法」と呼ばれ、長年に渡りその有効性と安全性が確認されています。

抗生剤を続けて飲んでも大丈夫なのか?

通常、抗生物質は短期間集中投与で効果を発揮しますが、マクロライド少量長期投与療法では、従来の抗生物質療法とは異なるメカニズムで症状改善を目指します。

マクロライド少量長期投与療法の特徴

  • 通常の抗生物質の半分の量を、3~6ヶ月間毎日服用します。
  • 長期間服用するため、副作用が少なく安全性が高いです。
  • 抗菌作用だけでなく、抗炎症作用や免疫調節作用も期待できます。
  • 慢性気管支炎や慢性副鼻腔炎の症状を改善し、QOL(生活の質)向上に繋がります。

適応となる症状

  • 慢性気管支炎:慢性的な咳や痰、息切れ
  • 慢性副鼻腔炎:鼻詰まり、鼻水、後鼻漏、頭痛など

治療効果

  • 症状の改善
  • 再発抑制
  • 生活の質向上

注意点

  • 効果には個人差があります。
  • 定期的に医師の診察を受け、経過観察が必要です。
  • 長期間服用することで、耐性菌の出現リスクがわずかに上昇します。
  • 他の薬剤との飲み合わせに注意が必要です。

まとめ

マクロライド少量長期投与療法は、慢性気管支炎や慢性副鼻腔炎の症状改善に有効な治療法です。

長期間抗生物質を服用することになりますが、安全性は高く、多くの患者さんに有効性を示しています。

治療を検討する際は、医師とよく相談し、治療のメリットとリスクを十分に理解した上で進めることが重要です。

また、治療中は定期的な診察を受け、症状の変化や副作用の有無に注意しながら継続することが推奨されます。

治療の進め方や投与量については、患者さんの状態や症状の重さ、既往症の有無などを考慮して、個別に調整される必要があります。

特に、マクロライド抗生物質は他の薬剤との相互作用が報告されているため、他の薬を服用している場合はその情報を医師に伝えることが大切です。