🍃高野山 清浄心院でいただく「祈りの食」

――薬膳をも超える、心を整える味わい

こんにちは😊
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック 院長の山口裕礼です。

今回は、高野山の宿坊・清浄心院(しょうじょうしんいん)でいただいた食事をご紹介します。
それは、食を超えた「祈りの時間」。
医師として、そして一人の人間として、心の深くまで染み入る体験でした。

🌙夕食──胡麻豆腐に込められた祈り

朱塗りの膳に、山の恵みが静かに並びます。
胡麻豆腐、山菜、昆布、南瓜、里芋。
どれも油も肉も使わず、素材が持つ生命そのものを感じる味わいでした。

ひと口いただくたびに、
体が静まり、心が澄んでいくような感覚になります。
それはまるで、食べること自体が“祈り”に変わっていくよう。

薬膳が「体を整えるための料理」だとすれば、
精進料理は「心を鎮めるための食」。
この静けさの中では、
栄養素の計算も、効能の知識も、何の意味も持たなくなります。

ただ、“生きている”ことへの感謝が、
一口ごとにゆっくりと広がっていく――そんな時間でした。

食前には、心の中で「御箸五観文(ごかんもん)」を思い出します。
声に出すわけではなく、そっと心の内で唱えるだけ。

一に、この食がどのようにして届いたかを思い、
二に、自らの行いを省み、
三に、むさぼりの心を慎み、
四に、この食を薬として受けとめ、
五に、正しく生きることを誓う。

この静かな時間こそが、まさに“心を養う食事”なのだと感じました。

そして食後には、心の中にもう一つの言葉が残ります。

「正しい食法は、そのまま仏法の修行である。」

胡麻豆腐のなめらかさのように、
その教えが静かに、しかし確かに胸に沁みました。

🌄朝の祈りの膳──静けさと目覚めの食卓

翌朝のお勤め(6時半)を終えたあと、
部屋に運ばれてきた朝の膳は、まるで夜明けの空気を映したよう。

白米、味噌汁、煮物、香の物。
どれも控えめな味つけで、体の奥から目が覚めるようなやさしさでした。

食卓には、音がほとんどありません。
聞こえるのは、箸が器に触れる小さな音と、自分の呼吸だけ。

その静けさの中で思いました。
「食べる」という行為は、生きることそのもの。
一日のはじまりを“祈りのようにいただく”――
それが、心を整えるということなのかもしれません。

🍂おわりに

高野山の精進料理は、栄養でも味覚でもなく、
“いのちの循環”を感じるための食。

薬膳という概念さえ霞んでしまうほどの、
静かで、澄んだ時間がそこにありました。

「食べることは、生きること。」
――その原点を、改めて教えてくれた宿坊の食事でした。

📍高野山 清浄心院
祈りの地でいただく、心を鎮める一膳。

🌸あなたの代わりに、高野山へ。――病気平癒・心身健全の祈りを込めて🌿

こんにちは😊やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック 院長の山口裕礼です。 この連休、私は高野山へ参拝してまいりました。目的はひとつ――「病気全快」「身体健全」の祈願…

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
からだ整えラボ
① 医学=呼吸器・アレルギー
② 生活=腸・温活・食・睡眠・肌
③ 幸福=働き方・環境・園芸
“病気を診るだけでなく、人をまるごと診たい”
——その思いを胸に、学びを続けています。
医学的根拠 × 生活習慣 × 心の豊かさ
三位一体の医療をめざしています。
資格:
<医学・医療>医学博士、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医、日本喘息学会認定喘息専門医、日本内科学会認定内科医、日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
<予防医学・代替医療・環境>
カラダ取説®マスター・ジェネラル ← NEW✨
環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士、漢方コーディネーター、内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー、日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士、腸内環境解析士、日本温活協会認定温活士、薬膳調整師、管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、日本フェムテックマイスター協会公認フェムテックマイスター®上級、公認妊活マイスター®Basic、日本スキンケア協会認定スキンケアアドバイザー、メンタル士心理カウンセラー、アーユルヴェーダアドバイザー、快眠セラピスト、安眠インストラクター
<文化・生活>
日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ、ローズソムリエ®(バラ資格)
<受賞歴>
第74回日本アレルギー学会学術大会「働き方改革推進奨励賞」受賞