クリニックだより 内科

喘息治療と口腔内カンジダ:その原因と予防法について

内科

うがいと正しい吸入方法で予防できます

こんにちは、皆さん。私は呼吸器内科医として日々喘息患者さんたちの診療に当たっています。

喘息の治療の一部として、吸入ステロイド薬が非常に重要な役割を果たしています。

しかし、一部の患者さんは口腔内カンジダという副作用に直面することがあります。

今回はその原因と予防法について語りたいと思います。

まず、口腔内カンジダとは何かを理解するために、カンジダとは何かを説明します。

口腔内カンジダとは?

カンジダは我々の体内に普通に存在している酵母の一種で、通常は無害です。

しかし、体の免疫力が低下したり、口腔内のバランスが崩れたりすると、このカンジダが異常に増えてしまい、口内炎や舌炎を引き起こします。

これを口腔内カンジダと言います。

では、なぜ吸入ステロイド薬を使用すると口腔内カンジダが発生するのでしょうか。

吸入ステロイド薬と口腔内カンジダについて

ステロイド薬は、その抗炎症作用により喘息の症状を抑えるために用いられます。

しかし、その一方で、ステロイド薬は一部免疫反応を抑制する作用もあり、その結果、カンジダが増えやすい環境を作り出すことがあります。

特に、薬を吸入した後に口をすすがないと、口腔内にステロイド薬が残留し、カンジダが増えやすくなります。

それでは、口腔内カンジダを予防するにはどうすればいいのでしょうか。

予防方法

吸入後の口腔ケア:ステロイド吸入後は、必ず口をすすぐようにしましょう。

これにより、口腔内に薬剤が残留することを防ぎます。

正しい吸入方法:吸入器の使い方を正しく理解し、指導された通りに使用することも重要です。

必要であれば医師や薬剤師に指導を求めましょう。

定期的な口腔内チェック:定期的に口の中を見て、異常がないかチェックしましょう。

何か異常を感じたらすぐに医師に相談することが重要です。

全般的な健康管理:免疫力を高めるために、バランスの良い食事、十分な睡眠、適度な運動を心がけましょう。

以上、喘息治療と口腔内カンジダについての基本的な知識と予防法について説明しました。

さいごに
喘息の治療は長期間にわたるものですから、その副作用と適切に向き合い、自分の体を守ることが重要です。

何かご不明な点がありましたら、いつでも医師にご相談ください。

次回のブログでは、喘息の日常管理について話す予定です。お楽しみに。

引き続き、健康で過ごせる日々をお祈りしています。

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。