クリニックだより

手足口病が流行中:症状、治療、そして予防のために

手足口病が流行中:症状、治療、そして予防のために

こんにちは。やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です。

現在、横浜市で手足口病が流行しており、注意喚起が必要な状況です。

この記事では、手足口病の詳細な症状、治療法、そして予防策について解説します。

手足口病とは?

手足口病は、小さなウイルス(例:コクサッキーウイルスやエンテロウイルス)が原因で引き起こされる感染症です。

これらのウイルスは、感染した人の鼻や口から出た小さな水滴を吸い込むことや、接触によって人から人へ広がります。

一般的に幼児や小児に多く見られますが、大人も感染することがあります。

症状

  • 初期症状:軽い発熱や喉の痛み、食欲不振が見られます。
  • 発疹:手のひら、足の裏、口腔内に2~3mmの水疱性発疹が現れます。肘や膝、お尻に現れることもあります。
  • 口内の症状:口腔内の水疱は潰瘍となり、食事の際に痛みを伴うことがあり、特に子どもは食事を嫌がることがあります。
  • 重症化のリスク:稀に髄膜炎(脳を覆う膜の炎症)や脳炎(脳の炎症)など重い合併症が起こることがあります。高熱や頭痛、嘔吐が見られた場合は、速やかに医療機関を受診してください。

治療方法

手足口病に特効薬はなく、症状に応じた対症療法が行われます。

  • 発熱や痛み:一般的な解熱鎮痛剤(例:アセトアミノフェン、イブプロフェン)で緩和します。
  • 口内痛対策:冷たくして柔らかい食事(例:ゼリー、冷やしたおかゆ)を摂ることで痛みを和らげます。市販の口腔用薬を使用して痛みを軽減することも有効です。

感染予防策

手足口病の予防には、日常的な衛生習慣が重要です。

  • こまめな手洗い:アルコール消毒は効きにくいため、流水と石けんでの手洗いを徹底してください。トイレ後やおむつ交換後、食事前には特に注意しましょう。
  • おもちゃや家具の消毒:次亜塩素酸ナトリウム溶液や家庭用消毒剤を使用して、頻繁に触れるものを消毒してください。
  • マスクの着用:飛沫感染を防ぐために、咳エチケットを守りましょう。医療用マスクや不織布マスクが推奨されます。

登校・登園の基準

「学校において予防すべき感染症の解説」では、本人の全身状態が安定していれば登校・登園は可能とされています。

ただし、登校(園)の可否については主治医に相談し、具体的な症状や経過を確認することをおすすめします。

家族への影響と注意点

手足口病は特に幼児に多い病気ですが、大人も感染することがあります。

特に免疫が低下している場合には、重症化するリスクが高まります。

家庭内での感染拡大を防ぐため、こまめな手洗いや衛生管理を徹底しましょう。

最後に

手足口病は多くの場合自然に治りますが、感染の拡大を防ぐために衛生管理を徹底することが重要です。

気になる症状が見られた場合は、早めに医療機関を受診し、適切な対応をとるようにしてください。

やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック 山口裕礼

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。