鼻汁が出るときの見分け方:風邪、アレルギー、副鼻腔炎の違いと受診先の選び方
鼻汁が続くとき、風邪、アレルギー、副鼻腔炎のどれが原因かを見分けるのは患者さんにとって難しいものです。
それぞれの病気は似たような症状を持つこともありますが、いくつかの特徴を押さえることで、どの診療科に相談するべきかの判断材料になります。
ここでは、それぞれの違いや、受診先の選び方について詳しくお伝えします。
1. 風邪による鼻汁
- 透明から白い鼻汁が初期に出て、その後黄緑色に変わることがあります。
- 鼻づまり、のどの痛み、咳、発熱などが伴うことが多いです。
- 発症から数日~1週間で症状が軽快するのが一般的です。
風邪の疑いがある場合、最初に内科に受診するのが良いでしょう。
症状が長引いたり悪化したりした場合は、詳しい検査を受けるため耳鼻科の受診が検討されることもあります。
2. アレルギーによる鼻汁
- 透明でさらさらした鼻汁が長期間続くことが多いです。
- くしゃみや鼻のかゆみを伴うことが特徴的です。
- 花粉の季節や、特定のアレルゲン(ほこり、ペットの毛など)に反応して症状が現れやすいです。
アレルギーの疑いがある場合は、内科または耳鼻科のどちらに相談しても構いません。
内科では、全身症状の治療も含めた対応が可能であり、耳鼻科では特にアレルギー診断や局所治療が詳しく行えます。
3. 副鼻腔炎(蓄膿症)による鼻汁
- 粘り気のある黄色や緑色の鼻汁が続きます。
- 鼻づまりが強く、頭痛や顔面の痛みを伴うことがあります。
- 長期間、症状が改善しないことが特徴です。
副鼻腔炎が疑われる場合は、耳鼻科での受診をお勧めします。
耳鼻科ではCT検査や鼻内視鏡を用いた詳細な診断が可能で、治療方針を的確に決定できます。
どちらに受診するべきか?
- 軽度の風邪のような症状であれば、まずは内科での診察を受けてください。必要に応じて耳鼻科への紹介がされることもあります。
- 長期間続く鼻汁や顔の痛み、粘り気のある鼻汁が出る場合は、耳鼻科を受診して詳細な診断を受けることをお勧めします。
- アレルギーの疑いがある場合、内科と耳鼻科どちらでも対応可能です。
日常生活で気をつけること
- 風邪予防には手洗いやうがいを習慣にしましょう。
- アレルギー対策として、空気清浄機の使用や定期的な掃除でアレルゲンの除去を心がけると効果的です。
- 副鼻腔炎が疑われる場合は、鼻の状態を悪化させないために適切な加湿を行うことが大切です。
おわりに
鼻汁が続くことで生活の質が低下することがあります。
症状の持続や重症化に悩んでいる場合は、早めに適切な診療科を受診し、症状に応じた治療を受けることが健康管理の鍵となります。
自身の健康を守るためにも、早期に専門の医師に相談しましょう。
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック 山口裕礼