医師に書類をお願いする際の注意点と心がけ

書類作成に関するお願い

当クリニックでは、さまざまな書類作成のご依頼を承っています。例えば、

  • 紹介状
  • 診断書
  • 介護保険の申請書
  • 生命保険の診断書
  • 休業手当の申請書
  • 鍼灸師に関する書類
  • 在宅看護に必要な書類

など、日々多岐にわたる書類を作成しております。

しかし、これらの書類を作成する際にはいくつかの重要なポイントがあります。

書類作成を急かさないでください

本当に急ぐべき書類はどのような場合かは医師は言われなくてもよく理解しています。

時折、患者さん側から「早く書いてほしい」というご要望をいただきますが、書類の作成を急かすことはお勧めできません。

確かに、書類には定められたフォーマットがあり、基本的な内容は数値や事実を記載するだけで完成します。

しかし、それだけでは本当に価値のある書類とは言えません。

医師の「一筆」が生む重み

書類の最後には、医師としての考えや思いを込める「一筆」を入れることがあります。

この一筆が入るかどうかで、書類の持つ重みや説得力が全く異なります。

例えば、診断書や介護保険の申請書において、事実だけでは伝わりきらない背景や患者さんの状況を補足することで、相手側に深い理解を促すことができます。

ただし、この「一筆」を入れるには時間が必要です。

患者さん一人ひとりの状況をしっかりと把握し、思いを込めるための時間を確保しなければなりません。

そのため、時間を優先して「急ぎで!」と依頼されると、書類の内容も「それなり」のものになってしまう可能性があります。

書類の質を決めるのはあなた次第

「質」を重視する書類を求めるのであれば、少しお待ちいただくことが必要です。

書類は単なる形式的なものではなく、患者さんの生活や権利を支える大切なツールです。

その重要性をご理解いただき、適切な時間をかけて仕上げさせていただくことで、より価値のある書類をお渡しできるのです。

ご依頼の際のお願い

1. 余裕を持って依頼する
できるだけ早めに書類作成を依頼してください。時間に余裕があるほど、丁寧な対応が可能です。

2. 必要な情報を事前に揃える
書類作成に必要な情報を漏れなくご用意いただけると、作業がスムーズになります。

3. 医師の判断にご理解を
医師が「この書類にはこの記載が必要」と判断する場合、それには医学的な根拠があります。安心してお任せください。

最後に

書類は患者さんにとって大切な道具であり、私たち医師にとっても責任を伴う仕事の一つです。

質の高い書類を提供するために、どうぞご協力をお願いいたします。

時間をかけた書類は、必ずあなたのために役立つものとなるでしょう。

やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック 山口裕礼

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。