「皮膚も呼吸している?6月に起こる“皮膚のむくみ感”の正体」

こんにちはやまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です
6月――
雨の日が続き、ジメジメとした空気に包まれる季節
「なんだか顔や足がむくむ…」
「肌がどんよりして呼吸していない感じがする…」
そんな“皮膚のむくみ感”を感じていませんか?
実はそれ、単なるむくみではなく、皮膚のバリア機能と体の中のバランスの乱れが関係しているかもしれません
今日はこの「皮膚のむくみ感」の正体について、スキンケアアドバイザーの視点からわかりやすく解説します
【1】皮膚は“呼吸”している!?
皮膚には酸素や水分を出し入れする働きがあります。
厳密には肺のように呼吸しているわけではありませんが、 皮膚の毛細血管からの酸素供給
汗腺・皮脂腺からの分泌
外気とのバリア機能
これらを通じて、まるで皮膚が「呼吸」しているように見えるのです
【2】6月の高湿度が肌に与える影響
この季節は、 湿度80%以上の日が続く
汗が蒸発しにくく、熱がこもる
皮膚の表面に水分が溜まりやすい
すると肌は“むくんだように”見え、
べたつき・毛穴詰まり・赤みといった皮膚トラブルを引き起こしやすくなります
特に、 マスク生活で皮膚の水分バランスが崩れている方
自律神経が乱れている方
は注意が必要です
【3】ホルモンバランスと血流の影響
6月は気温・気圧の急変動が多く、
女性ホルモン(特にエストロゲン)の分泌が不安定に…
これはのような反応を招きます。
血管の拡張・収縮リズムが乱れる
水分が毛細血管の外に漏れやすくなる
皮膚の血流が滞り、くすみ・むくみ感へ
男性も、ストレスや睡眠不足、運動不足で同じように血流が悪くなり、皮膚の代謝が下がることがあります
【4】今すぐできる“むくみ肌”対策
以下のようなケアで、皮膚の「呼吸感」を取り戻しましょう
保湿と保水は分けて考える
→ 化粧水で水分補給+乳液・バームでふたを
軽い運動で血流を促す
→ 朝にストレッチ、昼に階段を使うなどが効果的
ぬるめのお風呂で副交感神経アップ
→ 38℃で15分程度の半身浴がオススメ
カリウム豊富な食材で余分な水分を排出
→ 例:アボカド、納豆、バナナ、ほうれん草
ぐっすり眠ってホルモンリズムを整える
→ 寝る前のスマホ断ち&アロマもGood
【5】それでも皮膚トラブルが続くなら…
単なる「むくみ感」では済まないこともあります。
湿疹・赤み・ニキビ・かゆみが出てきたら、皮膚科の受診をおすすめします
特にマスク部位の皮膚炎や、汗によるあせも・かぶれも増える時期。
湿度が上がる6月こそ、皮膚の声をしっかり聞いてあげましょう
まとめ:皮膚は“感じる器官”、そして“バロメーター”
皮膚のむくみ感は、湿度
ホルモン
血流
など、体内外のバランスの乱れを知らせるサインかもしれません
「皮膚も呼吸している」と思って、やさしくケアをしてあげることが大切です
最後までお読みいただきありがとうございました
肌と心のバランスを大切に、健やかな6月をお過ごしください
この記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断・治療を代替するものではありません。皮膚のトラブルでお困りの方は専門の医師にご相談ください。
投稿者プロフィール

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資格:
<医学・医療>医学博士、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医、日本喘息学会認定喘息専門医、日本内科学会認定内科医、日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
<予防医学・代替医療・環境>
環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士、漢方コーディネーター、内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー、日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士、腸内環境解析士、日本温活協会認定温活士、薬膳調整師、管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、日本フェムテックマイスター協会公認フェムテックマイスター®上級、公認妊活マイスター®Basic、日本スキンケア協会認定スキンケアアドバイザー、メンタル士心理カウンセラー
<文化・生活>
日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ、ローズソムリエ®(バラ資格)
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