20歳代の女性(仮) 初診のぜんそく患者さん
当院で吸入器をどのように処方しているかご紹介します。
● 患者さん個人にあわせて、数多くある吸入器の中で最も使用しやすい吸入器を選択します
● オーダーメイドのような感じで吸入器を選びます
● 薬(吸入器)に患者さんを合わせるのではありません
● 薬(吸入器)を患者さんの背景や個性に合わせていきます
患者さんによって様々なパターンがありますが、その中の一つです。
● 決してまれなことではなく、よくあるパターンの典型のまとめです
どのような感じかイメージを持っていただければと思います。
20歳代の女性(仮)です。
● 小児ぜんそくが一旦良くならず、今でも治療をしております
● 咳が止まらないとのことで初めて当院を受診していただきました
● 夜は苦しくて起きてしまう中発作です
それ以前の治療を聞いてみると
● 調子が悪い時だけメプチンエアーを使用していました
● ひと月に数度にわたり発作を繰り返しておりました
● ぜんそくのコントロール状態は明らかに不良です
15歳くらいの時ことを聞くと
● 吸入ステロイドを使用すべき状態
だったですが、
● メプチンエアーや飲み薬だけ
を使用していたようです。
● 今の症状では吸入ステロイドは必須です
会社に勤めており、患者さんの吸入する回数の負担を減らすため
● レルベア
を処方しました。
スタッフと一緒に座って吸入方法を習ってみましょう
● 吸入器レルベアでの吸入方法の確認
・きちんと吸えると「プー」と音がなるトレーナーと呼ばれる模擬の吸入器を使用します
・最初からしっかり「プー」と音が鳴り、しっかり吸入できています
・メプチンエアーも使い慣れております
診察室にて
● 患者さんの気持ちに寄りそうと
・いつもの薬(メプチンエアー)をもらいに来る感覚できました
・今までのクリニックから新しいところに来た不安感があります
・今まで症状がある時にだけ薬を使うものだと思っていました
・時々、咳き込む事はそのようなものだと思っていました
・メプチンをすると楽になるから、それだけで治療は良いと思っていました
● 患者さんの思いに対してしたこと
・思春期のことまで振り返り、本来の薬の使用内容を理解してもらいました
・吸入ステロイドは子供のころからずっと使い続けても、何も問題ないと話をして安心してもらいました
・ぜんそくが 「治った感覚並みに症状がない」 のが一番良い状態と話しました
今まで常にそばにいて、何度も咳や息苦しさを止めてくれた、
・大事な友人であるメプチンエアーは変えることはしない
ことを約束し、安心してもらいました。
これからは、症状を出さないように守ってくれる、
・吸入ステロイドが必要
なことを説明しました。
● 症状あってもなくても毎日使うのがレルベア(せきや痰、息切れから守ってくれる予防のイメージ)
● 発作時のみ使うのがメプチンエアー(咳や痰などの息切れが出たときに楽にしてくれるイメージ)
● 粉の薬を吸うレルベアと、霧状の薬を吸うメプチンエアー
と吸入方法は異なります。
● 本来ならレルベアと同じ粉の薬である、メプチンスイングヘラーが望ましいです
しかし、
● 若くて順応力がある
● 今まで助けてくれていた友達(メプチンエアー)がついている安心感
があり、きっと大丈夫でしょう。
次に来た時も吸入を確認しますね。
以上が、当院で行っている患者さんへの吸入の説明方法です。
投稿者プロフィール
- 2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。
最新の投稿
- クリニックだより2024年12月22日高倉健さんに学ぶ「人を想う美しさ」 ~藤沢周平の『蝉しぐれ』から~
- クリニックだより2024年12月22日高倉健さんと酒井雄哉大阿闍梨の対談 ~「一日一生」の教え~
- クリニックだより2024年12月22日高倉健さんに学ぶ「道を究める心」 ~比叡山延暦寺・酒井雄哉大阿闍梨との交流~
- クリニックだより2024年12月22日高倉健さんに学ぶ「思いやりの心」 ~介護をしている方へのメッセージ~