クリニックだより 内科

フルティフォームが吸えないのでレルベア - 当院の吸入指導の具体的なイメージ 

内科

70歳代の男性(仮) 通院中のぜんそく患者さん


当院で吸入器の使い方をどのようの教えているかご説明します。

患者さんによって様々なパターンがありますが、その中の一つです。

● 決してまれなことではなく、よくあるパターンの典型のまとめです

どのような感じかイメージを持っていただければと思います。

● 昔、レルベアを使用していましたが吸入が難しかったようです

● 今はフルティフォームを使用していますが咳が良くなった感じがあまりしません

● 呼吸機能検査をしてもあまりよくないため、もう一度レルベアに戻してみましょう

● 以前にレルベアが上手に使用できなかったので注意して吸入方法をみてみましょう

では、スタッフより使用方法を座って一緒に教えてもらいましょう。

吸入器レルベアでの吸入方法の説明

・一番最初にレルベアの使い方をみたときは口のつけ方が難しかった様子です

・口の両端から空気が漏れる感じがありました

・決してお若くないですが、現役で仕事で忙しくしており、出張も多いようです

患者さんの気持ちに寄りそうと

・フルティフォームは吸うタイミングがむずかしい

・スペーサーを使用しているが、どのタイミングで吸えばよいかわからなかった
 
・エアー剤を押してから吸うのでしょうか?

・吸う動作をしながら押すのでしょうか?

・出張が多いため朝2回、夜2回吸うことが面倒です

患者さんの思いに対してしたこと

・以前に吸えなかった薬に戻しますので「また吸えないだろう」という気持ちにならないように励ましました

・粉の薬であれば、吸うタイミングは難しくないと説明し安心して頂きました

・一日一回の薬だから忙しくても吸いやすいだろうと前向きになってもらいました


使用方法の説明

きちんと吸えると音が鳴るトレーナーを用います

・音はギリギリ鳴るものの…音はまだ小さいようです

・片手で持って、猫背で吸っています

→ 両手で持って背筋を伸ばしてくださいね。そちらの方が空気の通り道がきれいに出来て吸いやすくなりますよ

・口の端からまだ息が漏れています

→ ラーメンをすするように口をすぼめて吸ってください。そうすると息が漏れません

・通気口を下に向けて指で押さえています

→ 通気口を上にして指で押さえていないか確認して吸いましょう

その結果

・トレーナーによる練習3回目でしっかりと音が鳴るようになりました

・息止めも出来たので医師に報告し、レルベアで処方が決定しました

使い方や回数など説明している時、患者さんから

● 1日1回なら出張の時も楽で良い

というお声がありました

~次に来院して頂いたときは、笑顔で咳も止まり楽になったと喜んでおられました~

● その後も来院のたびに吸入方法を一緒に確認しました

● 今ではすっかり調子も良く、定期的に通院をされています

以上が、当院で行っている患者さんへの吸入の説明方法です。

世間一般的には

● 使用方法の説明のみ

になりがちです。

当院においては

● 患者さん個人にあわせて、気持ちに寄り添いご説明します

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。