実際に吸入器を使用していない患者さんが多いです
ご近所の先生や病院で吸入器が処方されることがあります。
● 咳が止まらない
● 咳が長引く
● 息切れがする
● 胸苦しい
● 咳ぜんそくと言われた
● ぜんそくと言われた
この様な症状に対して、下にある吸入器が処方されます。
しかし、症状が良くならずに当院に受診されます。
多くの場合は、
● 吸入器を上手に使用できないから症状が良くならない
事が多いです。
しかし、
● 吸入器を袋からも出していない
● 吸入器は使用していない
このような患者さんは一人や二人だけではありません。
後発薬品がない値段も高い吸入器が泣いています・・・
なぜ患者さんは吸入器を使用していなかったでしょうか?
患者さんの気持ちに寄りそうと
・このような薬は見たことがない
・自分の病気の名前も分からないので薬も使っていない
・使い方が分からない
・そもそもこれ(吸入器)はなんでしょうか?
・このような薬は怖い
・薬の説明がないから使うのが不安だった
・中に何が入っているのでしょうか?
・ステロイドは嫌だ
患者さんの思いに対してしたこと
~まずは病名を明らかにします~
確かに長引く咳で吸入器を使用すると良くなることは多いです。
しかし、病名によっては吸入器の種類や使用期間は異なります。
● 咳が止まったらやめても良い一時的なのか
● 咳が止まっても使い続けたほうが良いのか
● 止まってからは何か月使うのか、一生使うのか
病名によって薬の種類も異なれば期間も異なります
お話を聞いて診察し検査をして、咳や息切れの原因を調べます。
多くの場合はアレルギーの咳ですが、
● 咳が止まったら吸入器をすぐにやめることはありません
~具体的な検査結果の説明方法~
・レントゲンで咳が出るような影が肺にあるかどうか一緒にみます(正面と横)
・レントゲンで見えないような気管支について説明します
・呼吸機能検査で空気の通り道が狭くないかどうか説明します
・呼吸機能検査は個人差や、やり方、タイミングで結果がぶれることがあります
そこで、
・総合呼吸抵抗測定装置モストグラフで空気の通り道が狭くないかどうかみます
・呼気一酸化窒素検査でアレルギーが原因による咳かどうかみます
必要によっては、
・マイコプラズマ迅速検査にてマイコプラズマによる咳かどうか判断します(のどの検査)
・肺炎の原因で一番多い、肺炎球菌が悪さしていないか調べます(尿の検査で分かります)
・重症化するレジオネラが悪さしていないか調べます(尿の検査で分かります)
~具体的な診断名の説明方法~
・今回の診断が疑いなのか、確定なのか説明します
・症状が良くなる見通しを説明します
~具体的な治療方法の説明方法~
・薬一つ一つ全て意味があり役割を説明します
・薬の日数と次回受診する日を決めます
・症状がある程度良くならなければ早めに受診を説明します
~吸入器の説明方法~
※ ここからが一番重要です!
・院内で看護師により一対一で説明します
・吸入器の不安をなくします
・本番と同じ吸入器の見本を使用します
・正しく吸うことが、できるように説明します
・吸うことが難しいと判断したら、その場で薬の種類を変更します
・患者さん個人にあわせて、数多くある吸入器の中で最も使用しやすい吸入器を選択します
● 薬(吸入器)に患者さんを合わせるのではありません
● 薬(吸入器)を患者さんの背景や個性に合わせていきます
投稿者プロフィール
- 2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。
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