辛い物を食べるとかゆくなる理由
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です。
辛い食べ物の代表格といえば、唐辛子に含まれる「カプサイシン」です。
カプサイシンは、体の中で「痛み」や「熱さ」を感じるセンサーを刺激します。
このセンサーは、TRPV1受容体という名前で、皮膚や粘膜、神経などに広く存在しています。
この刺激によって、体が「危険だ」と判断し、免疫系が働きます。
すると、ヒスタミンという物質が分泌されることがあります。
このヒスタミンは、実はアレルギー反応でかゆみを引き起こす主な原因でもあります。
そのため、カプサイシンによる刺激が皮膚や粘膜を刺激して、かゆみを感じることがあるのです。
辛い物とかゆみの原因を考える
辛い物を食べてかゆみが出る理由は、大きく分けて次の3つが考えられます。
- 直接的な刺激
辛さの刺激が皮膚や粘膜に伝わり、神経を活性化することでかゆみを感じることがあります。 - アレルギー反応
食べ物の成分そのものにアレルギーがある場合、ヒスタミンが過剰に放出されてかゆみやじんましんが起きることがあります。 - 交感神経の活性化
辛い物を食べると、交感神経が刺激されて血流が増えたり、皮膚が赤くなったりします。これにより、普段は気にならないかゆみが強調されることがあります。
特に注意が必要な場合
もし、次のような症状が辛い物を食べた後に出た場合は、アレルギー反応の可能性があるため注意が必要です。
- 口の中や喉の腫れ
- 呼吸のしづらさ
- 全身のじんましんや湿疹
- 強いかゆみとともに手足がしびれる感覚
これらはアナフィラキシーと呼ばれる重篤な反応の可能性があります。この場合は、すぐに医療機関を受診してください。
かゆみを予防するには?
辛い物を楽しみながら、かゆみを予防する方法として、次のようなことを試してみてください。
- 辛さを控える
食べる量や辛さの強度を調整してみましょう。 - 一緒に乳製品を摂る
ヨーグルトや牛乳はカプサイシンの刺激を和らげる効果があります。 - 保湿ケアを心がける
皮膚が乾燥しているとかゆみが出やすくなります。特に敏感肌の方は、辛い物を食べる前後に保湿をしっかり行いましょう。 - アレルギーの確認
辛い物に限らず、食べ物によるかゆみが頻繁に起こる場合は、食物アレルギーの可能性を調べることもおすすめです。
辛さも適度に楽しむことが健康の秘訣
辛い物には、食欲を増進したり血行を良くする効果もあります。
一方で、かゆみや体調の変化がある場合は無理せず、自分の体と相談しながら楽しんでください。
当クリニックでは、皮膚科の観点からかゆみの原因や予防法についてもアドバイスを行っています。
気になる症状があれば、どうぞお気軽にご相談ください。
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック 山口裕礼
投稿者プロフィール
- 2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。
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