喘息と吸入ステロイド治療:懸念と真実

吸入ステロイドは喘息の主要な治療法であり、その使用は安全
喘息の治療に重要な役割を果たす薬、吸入ステロイドについて話をしたいと思います。
喘息は、気道が狭くなり呼吸が困難になる慢性的な病気です。
この病気は全年齢で発症し、大人も子供も影響を受けます。
今や、小児から大人まで、吸入ステロイドを継続的に使用して喘息を管理するのが一般的な治療法となっています。
その結果、過去と比べて喘息による死亡者数は大幅に減少しています。
吸入ステロイドの副作用について
しかし、中にはステロイドについて副作用が強いというイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれません。
そのため、吸入ステロイドに対して抵抗感を示す患者さんもいます。
ここで一つ明確にしたいのは、その懸念の多くは、内服ステロイドの全身的な副作用に基づくものであるという点です。
それに対して、吸入ステロイドは、内服ステロイドに比べて使用する量が圧倒的に少ない上、肺へ直接作用するため全身的な副作用はほぼありません。
吸入ステロイドは妊婦でも使えるか?
また、吸入ステロイドは、子供や妊娠中の女性でも安全に使用することができます。
その理由は、吸入ステロイドが気道の炎症を直接的に抑制するからです。
ステロイドは強力な抗炎症作用を持ち、喘息の症状を引き起こす気道の炎症を和らげます。
そして、吸入形式のステロイドは直接気道に作用するため、全身的な副作用が少ないのです。
吸入ステロイドの副作用
なお、吸入ステロイドを使うことで口腔内にカンジダ菌(口腔カンジダ症)が増える可能性があります。
しかし、きちんと使い方を守り、使用後に口をすすぐことで予防することが可能です。
おわりに
吸入ステロイドは喘息の症状を効果的にコントロールするための主要な治療法であり、その使用は安全であるといえます。
もし、ステロイドに対する不安や疑問がある方は、遠慮なくお尋ねください。
私たち医療専門家は、皆さんが安心して治療を受けられるように、最善を尽くします。
投稿者プロフィール

-
資格:医学博士、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医、日本喘息学会認定喘息専門医、日本内科学会認定内科医、日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士、漢方コーディネーター、内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー、日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士、腸内環境解析士、日本温活協会認定温活士、薬膳調整師、管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ、ローズソムリエ®(バラ資格)
最新の投稿
クリニックだより2025年4月18日🥬春の緑がまぶしい!アスパラガスの楽しみ方🌿~ゆで方のコツと、薬膳的効能も紹介します~
クリニックだより2025年4月18日🎍春の恵み🌱タケノコをいただきました✨~感謝とともに、薬膳の視点で春を味わう~
クリニックだより2025年4月17日🌱植物は“したたか”で“賢い”存在だった⁉️
クリニックだより2025年4月17日🧅春のやさしさを丸ごと味わう🌿【薬膳スープ】新玉ねぎのまるごと煮✨