平凡な心がまえこそ大切に

やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です。

本日は、新聞の社説を題材に、患者様向けのブログを書かせていただきます。

今回のテーマは、「平凡な心がまえこそ大切」ということです。

平凡な心がまえこそ大切

最近、「常識がなくなってきた」という言葉をよく耳にします。

昔から年長者が繰り返してきた言葉ですが、新しい世代にとっては、常識は時に縛られるもの、押し付けられるものと感じることもあるでしょう。

しかし、時代が変わっても、変わらない大切なもの、変えてはいけないものもあります。

Information

フランス文学者の渡辺一夫氏は、「ユマニスム(ヒューマニズム)こそ普遍の常識」と捉えました。

これは、エラスムスやラブレー、モンテーニュといった思想家を通して受け継がれてきた考え方で、

「どこの国でも、人間らしい心を持つ人々ならば、当然心得ているはずのごく平凡な人間らしい心がまえ」

(『ヒューマニズム考』より)

のことだとされています。

Danger

科学文明や機械文明は、私たちの生活を便利にする一方で、時に私たちを支配する力を持つ可能性があります

「それは人間であることとなんの関係があるのか」と疑問を持つ気持ちは、多くの方に共通するのではないでしょうか

過去の大戦時、ある学者は手帳に「封建的なもの、狂信的なもの、排外主義は皆敗ける。自然の、人類の理法は必ず勝つ」と書き記しました。

これは、人間としての根本を忘れてはならないという強い願いの表れでしょう。

今後、テクノロジーはますます進化していくでしょう。

だからこそ、「人間であること」を大切にするという一線を守り続けたいものです。

過度な期待や不安に囚われることなく、身近なことから世界で起きていることまで、人間らしい視点を持って落ち着いて考えてみることが大切です。

スマートフォンなどの情報機器だけでは育むことが難しい、そのような心の持ちようこそ、「ごく平凡な人間らしい心がまえ」として、私たちにとってなくてはならないものだと考えます。

医療現場における「平凡な心がまえ」

この「平凡な心がまえ」は、医療現場においても非常に重要です。

患者さんへ

  • 病気になった時、不安や心配で押しつぶされそうになるかもしれません。しかし、まずは落ち着いて、ご自身の体の声に耳を傾けてみてください。
  • インターネットなどで多くの情報を得られる時代ですが、情報に振り回されることなく、医師の説明をしっかりと聞き、納得のいく治療を選択することが大切です。
  • 治療に対して過度な期待を持つだけでなく、病気と向き合い、自身のペースで治療に取り組む「平凡な心がまえ」が、より良い結果につながることもあります。

医療従事者へ

  • 日々進化する医療技術を学ぶことは重要ですが、患者様一人ひとりの気持ちに寄り添う「人間らしい心」を忘れてはなりません。
  • 患者様の不安を受け止め、丁寧に説明し、信頼関係を築くことこそ、医療の基本であると言えるでしょう。

当院では、患者様とのコミュニケーションを大切にし、「平凡な心がまえ」を持って診療にあたることを心がけております。

どんな些細なことでも、お気軽にご相談ください。

最後に

今回の社説を通して、「平凡な心がまえ」の大切さを改めて感じました。

テクノロジーが進化していく現代社会において、人間らしさを保ち、心穏やかに過ごすために、この「平凡な心がまえ」を大切にしていきたいものです

今後も、このような形で、医療に関わる様々な情報を発信していきたいと思います。

やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック

山口裕礼

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。