「大丈夫です」と笑う人ほど、実は呼吸が浅い。吉高由里子主演『シャイニングな女たち』を呼吸器内科医が観て震えた理由。

こんにちは😊
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック院長の 山口裕礼(やまぐち ひろみち)です。
先日、渋谷の PARCO劇場で上演された舞台
『シャイニングな女たち』(作・演出:蓬莱竜太)を観劇しました🎭✨
(出演:吉高由里子さん ほか)
この作品を観終えたあと、渋谷の喧噪に混じりながら、ふと感じたのは――
「呼吸が、少しだけ深くなった」ということでした🫁
この記事では、単なる感想やあらすじ紹介ではなく、
✅ なぜ“笑い”が苦しく感じるのか
✅ 不確かな世界で折れないための“処方箋”は何か
✅ 呼吸器内科医として日々感じる「環境」と「関係性」の影響
を、舞台の余韻とともに言語化してみます。
⚠️【注意】この先はネタバレを含みます
ここから先、物語の核心に触れる記述が入ります。
まっさらな状態で観たい方は、観劇後にまたお会いしましょう🙇♂️
🌍 不確かな世界を、どう歩くか。舞台と現代がシンクロする理由
この作品を一言で表すなら、
「足元が揺れる世界で、それでも歩き続ける人々の物語」です。
明日がどうなるか分からない。
昨日までの“正解”が、今日は突然牙をむく。
社会の空気、関係性の温度、言葉のニュアンス――
ちょっとしたことで、簡単に崩れていく。
舞台上にあったのは、まさに現代の私たちが日々吸い込んでいる“空気感”でした。
特に心に残ったのは、次の4つです👇
- すれ違い:善意ほど、裏目に出る痛み
- 勘違い:言葉が、別の意味で運ばれていく怖さ
- 悪意なき傷:無自覚に誰かを追い詰める瞬間
- 生存本能:それでも「生きたい」と足掻く力
これは、物語の中だけの話ではありません。

⚽ サッカーボールが象徴する「コントロール不能な外圧」
舞台にたびたび登場する、象徴的な “サッカーボール”。
私にはあれが、自分ではどうにもできない外圧に見えました。
- 社会の目
- 予想外のトラブル
- 人間関係のねじれ
- あるいは「自分の変えられない性質」
球は転がり、跳ね、時に足元をすくう。
それでも登場人物たちは、拾い、蹴り返し、抱え直す。
👉 人生って、たぶんこういうものなんだと思いました。
😂 「笑い」という名の防御反応──なぜ笑うほど苦しいのか
この舞台は、劇場が笑いに包まれる場面が少なくありません。
でも、その笑いがどこか苦い。
- 場を壊さないための 愛想笑い
- 本音を隠すための 防御としての笑顔
- 心が壊れないための ユーモア
そして私は、ここに強烈な既視感がありました。
呼吸器内科の診察室でも、
「先生、もう大丈夫です😊」
と笑う方ほど、実は息苦しさや不安を抱えていることがあります。
“笑い”は、ただの明るさではなく、
壊れないための技術として発動していることがある。
この作品の「笑い」は、まさにそれでした。

🫁 呼吸器内科医として感じた「環境」と「関係性」が呼吸を変える瞬間
喘息や慢性咳嗽(咳が続く状態)を診ていると、
体質や薬だけでは説明できない“波”を感じることがあります。
それを作っているのは、しばしば
環境と関係性です。
- 眠れない
- 気を遣い続ける
- 不安が抜けない
- 「言いたいこと」を飲み込む日々
こうした積み重ねは、呼吸を浅くします。
そして浅い呼吸は、さらに不安を増幅させる。
舞台の登場人物たちも、決して弱いわけではない。
ただ、置かれた環境が過酷すぎた。
ここで大事なのは、
「本人のせい」にしない視点です。
それだけで、世界は少しやわらぎます🌿
🌟 泥臭いからこそ「シャイニング」──この作品が言う“輝き”とは
タイトルの「シャイニング(輝く)」。
この舞台が提示する輝きは、スポットライトを浴びる成功ではありません。
- 迷いながらも、今日を投げ出さないこと
- 不格好でも、舞台(人生)に立ち続けること
- ボロボロでも、最後の一歩を踏み出すこと
その生き抜こうとする意志こそが、
最高にシャイニングなのだと感じました✨
🎟️ おわりに:演劇は「心の健康診断」かもしれない
PARCO劇場を出て、渋谷の雑踏に混じったとき、
少しだけ呼吸が深くなった気がしました🫁
「世界はしんどい。
でも、案外、悪くないかもしれない。」
演劇には、心を“診察”してくれる力がある。
この作品は、それを静かに証明していました。
📌 こんな方におすすめです
- 今の社会に、漠然とした生きづらさを感じている方
- 「自分が悪い」と自分を責めがちな方
- 医療・介護・教育など、対人援助職の方
- うまく言えない疲れを抱えている方
ぜひ劇場で、あなた自身の「シャイニング」を見つけてみてください😊✨
投稿者プロフィール

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からだ整えラボ
① 医学=呼吸器・アレルギー
② 生活=腸・温活・食・睡眠・肌
③ 幸福=働き方・環境・園芸
“病気を診るだけでなく、人をまるごと診たい”
——その思いを胸に、学びを続けています。
医学的根拠 × 生活習慣 × 心の豊かさ
三位一体の医療をめざしています。
資格:
<医学・医療>医学博士、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医、日本喘息学会認定喘息専門医、日本内科学会認定内科医、日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
<予防医学・代替医療・環境>
機能的骨盤底筋エクササイズpfilAtes™認定 インストラクター国際資格← NEW✨
カラダ取説®マスター・ジェネラル
環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士、漢方コーディネーター、内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー、日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士、腸内環境解析士、日本温活協会認定温活士、薬膳調整師、管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、日本フェムテックマイスター協会公認フェムテックマイスター®上級、公認妊活マイスター®Basic、日本スキンケア協会認定スキンケアアドバイザー、メンタル士心理カウンセラー、アーユルヴェーダアドバイザー、快眠セラピスト、安眠インストラクター
<文化・生活>
日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ、ローズソムリエ®(バラ資格)
<受賞歴>
第74回日本アレルギー学会学術大会「働き方改革推進奨励賞」受賞






